
米陸軍のアパッチ攻撃ヘリコプターがホルムズ海峡付近の海上に墜落し、乗員2人を救助した米海軍の無人水上艇に注目が集まっている。
ロイター通信が9日(現地時間)に報じたところによると、米海軍が救助に使用したのは、スタートアップ企業Saronicが開発した自律型無人水上艇「コルセア」だった。
コルセアは全長7.3メートルで、最大1,000ポンド(約454キログラム)を搭載できる。今年3月末から中東に配備され、敵の動向把握や機雷探知に使用されてきたほか、一部は戦闘任務にも投入されている。
今回の救助は、米軍が無人軍用艇を使って海上の人員を救助した初の確認例とされる。その無人艇を手がけたのが大手防衛企業ではなく、スタートアップだったことにも関心が集まった。
コルセアを開発したSaronicは、2022年に米テキサス州で設立された。創業者らは防衛AI、自律航行、ロボット分野の出身者で、「海洋分野のアンドゥリル」とも評されている。
同社は従来の造船会社のように数十年規模の開発事業を進めるのではなく、ソフトウェアを中心に据えた無人艦隊を大量生産する戦略を掲げている。
米海軍も、少数の高価な艦艇だけに依存せず、多数の低コスト無人プラットフォームを配備して非対称戦に備えようとしている。

Saronicは、こうした米海軍の戦略に適した企業とみられている。現在はコルセアをはじめ、小型から超大型まで自律型無人水上艇のラインアップを拡充している。
ロイター通信は、米国防総省が費用対効果の高い戦力拡充手段として自律型艦艇への投資を進めており、コルセアを数百隻から数千隻規模で配備する計画だと伝えた。
米軍事専門メディアのディフェンス・ポストによると、米海軍はコルセアの量産に向け、約3億9,200万ドル(約628億3,500万円)の契約を締結した。試作段階から量産決定までに要した期間は1年未満だったという。
Saronicの企業価値は、こうした実績を背景に約92億5,000万ドル(約1兆4,800億円)まで上昇したとも報じられている。
防衛スタートアップの活躍が示すもの
コルセアによる今回の救助は、無人水上艇の実戦での信頼性を示すとともに、無人システムが偵察だけでなく、実際の戦闘支援や救助任務にも活用できることを示した事例と受け止められている。
ロイター通信は、今回の救助について、スタートアップが開発した無人艇が実戦環境で人命を救った初の事例として注目されていると報じた。無人艇は乗員を収容した後、海上の別地点まで運び、そこでヘリコプターが2人をつり上げて救助した。
米ニュースサイトのアクシオスも「極めて危険性の高い、初めての作戦だった。」と伝え、人間と自律型軍事装備が共同で任務を遂行する将来の戦争の一端を示したと指摘した。
コルセアは現在、米海軍第5艦隊の無人システム専門部隊「タスクフォース59」が運用している。2021年にバーレーンで創設された同部隊は、水上と水中の無人機を運用している。
緊迫する米国とイラン、報復の応酬
一方、ドナルド・トランプ米大統領は、今回のアパッチヘリコプター墜落はイランの攻撃によるものだと主張し、「米国は必然的にこの攻撃へ対応しなければならない。」と述べ、報復を予告した。
その後、米軍はホルムズ海峡一帯を空爆し、米中央軍はこれを「自衛のための攻撃」と説明した。

イランは米軍の空爆に対し、さらに報復した。イラン革命防衛隊は10日(現地時間)、「米国がイランのジャースク、シーリーク、ゲシュム島を空爆し、通信塔が損傷したほか、貯水タンク2基が破壊された。」と認めた。
その上で、「これに対する報復として、革命防衛隊海軍は同日午前2時30分、バーレーンにある米海軍第5艦隊をドローンで攻撃した。」と発表した。
別の声明では、「海軍は域内にある米空軍・海軍基地の21目標を攻撃し、MQ-9無人機1機を撃墜した。」と主張した。さらに、長距離固体燃料ミサイルでヨルダンのアズラクにある米軍のF-35戦闘機格納庫や指揮統制施設など、主要4目標を攻撃して破壊したとしている。
ただし、米国とイランは停戦交渉を中断せず、継続しているという。
J・D・バンス米副大統領は9日、CBSの番組「サンデー・モーニング」の事前収録で、「まだ取り組むべきことはあるが、目標達成に極めて近づいている。」と述べた。
合意の時期については、「来週にも成立するかもしれないが、数カ月後になる可能性もある。」との見方を示した。













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