
米連邦最高裁判所は、郵便投票制度など政治的な争点をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領に相次いで不利な判決を下した。保守派が多数を占める最高裁も、トランプ大統領にけん制を強めているとの見方が出ている。
最高裁は29日(現地時間)、選挙日後に到着した郵便投票を有効票として集計する一部州の制度について、裁判官5対4の判断で合法とする判決を下した。現在、ミシシッピ州など14州とワシントンD.C.では、選挙日までに消印が押された郵便投票について、選挙日後、5営業日以内に到着した場合、有効票として集計している。これに対し、ミシシッピ州共和党が2024年に違法だとして訴訟を起こしていたが、最高裁は問題ないとの最終判断を示した。
この判決が注目されたのは、トランプ大統領が2020年大統領選での敗因の一つを郵便投票に求め、同制度は違法だと主張し、縮小に向けた動きを見せているためだ。郵便投票制度は民主党支持層が積極的に利用しており、今回の最高裁判決により、トランプ大統領と共和党が11月の中間選挙で不利になる可能性があるとの見方も出ている。トランプ大統領は判決に失望感を示しつつも、自身が推進する有権者資格保護法、いわゆる「SAVE法案(米有権者資格保護法案)」の成立が一段と必要になったと主張した。
当初は、保守派が多数を占める最高裁の構成から、原告側の主張が受け入れられるとの観測もあったが、こうした見方を覆した。連邦最高裁は先に、相互関税を違法とする判決で現政権の中核的な通商政策にブレーキをかけたのに続き、今回も主要な懸案でトランプ大統領に逆風となる判断を下した。
最高裁は29日、トランプ大統領によるリサ・D・クック連邦準備制度理事会(FRB)理事の解任の試みに対しても、裁判官5対4の判断でいったんブレーキをかけた。トランプ大統領は、クック理事が過去の住宅ローン申請過程で詐欺を働いたとして、昨年8月に解任を発表したが、最高裁は訴訟が続いている間、クック理事が職にとどまることができるとの判断を示した。ただし、最高裁は連邦取引委員会(FTC)など、FRBを除く他の独立機関については、大統領の解任権を広く認めた。
同日、最高裁はまた、自身が敗訴した性的暴行事件の判決を再審理するよう求めたトランプ大統領の申し立てを退けた。これにより、トランプ大統領にファッションコラムニストのE・ジーン・キャロル氏へ500万ドル(約8億1,300万円)の賠償を命じた原審判決が維持された。トランプ大統領は最高裁の決定を激しく非難し、「引き続き戦う」との立場を示した。














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