
日韓の防衛相は28日に会談し、防衛交流・協力を強化していく方針で一致した。一方、物品役務相互提供協定(ACSA)の締結を巡っては、両国の間で温度差が浮き彫りとなった。
朝日新聞は29日、今回の日韓防衛相会談について、良好な日韓関係を背景に、日本は中国への抑止力強化を念頭に、燃料などの物資を円滑に融通できるACSAの締結を目指していると報じた。一方で、ACSAを巡っては日韓間に温度差があると伝えた。
ACSAは、平時・有事を問わず、食料や弾薬、燃料などの軍需物資を優先的かつ迅速に支援し、事後に精算することを定めた協定だ。日本は日韓間でのACSA締結を求めてきたが、韓国は歴史問題や世論への影響を踏まえ、慎重な姿勢を維持してきた。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は8日、ACSAについて「現実的な必要性はあると考えている」としつつも、「(高市早苗首相に対し)国民感情を考えると、現時点で受け入れるのは難しいと伝えた」と述べた。
首相官邸の関係者は朝日新聞に対し、「近隣で信頼できる国は韓国しかない」としたうえで、「互いに危機に陥らないよう、抑止力を発揮する必要がある」と語った。
同紙は韓国内の世論に加え、韓国が北朝鮮との緊張緩和や中国との関係改善を模索している点も、日韓ACSA締結に慎重な姿勢を取る背景にあると指摘した。また、「日中関係が緊張する中、日韓ACSA締結に向けた動きが中国を刺激しかねないとの見方が韓国側にはある」と伝えた。
読売新聞は、日韓ACSA締結について「韓国側の国内事情が絡み、難航が予想される」と報じた。日本は韓国とのACSA締結を重視しているものの、「韓国では日本の植民地支配の歴史を背景に、日韓の安全保障協力に否定的な認識が根強い」と指摘した。
また、「韓国政府内では国防部などの実務者がACSAの必要性を認識している一方、政権幹部は世論の動向に敏感になっている」と伝えた。
日韓外交筋は同紙に対し、「早期締結は容易ではないだろう」との見通しを示した。別の防衛省関係者は、「防衛分野の関係強化には着実な手続きが不可欠だ」とし、ACSA締結については慎重に進める考えを示した。














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