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2025年07月31日木曜日
ホームニュース「ノボノディスク株20%急落」ウィゴビー販売不振・ジェネリック拡大で10兆円が吹き飛ぶ衝撃展開

「ノボノディスク株20%急落」ウィゴビー販売不振・ジェネリック拡大で10兆円が吹き飛ぶ衝撃展開

引用: YouTube
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肥満治療薬「ウィゴビー」で知られるデンマークの製薬大手ノボノディスクが、米国市場での競争激化を受け、年間売上高と純利益の見通しを大幅に下方修正したことから、29日(現地時間)の株価が急落した。

ニューシスの報道によると、フィナンシャル・タイムズは、欧州の時価総額上位企業の一つであるノボノディスクの株価が同日20%急落し、わずか1日で時価総額600億ユーロ(約10兆2,685億2,000万円)が失われたと伝えている。

同社は今年の売上高成長率予想を5月時点の13~21%から8~14%に引き下げた。年間純利益成長率予想も16~24%から10~16%に修正した。また、肥満治療薬として使用される糖尿病治療薬オゼンピックの米国での販売とウィゴビーの一部海外市場での販売予想も下方修正した。

ノボノディスクは売上減速の要因として、米国でのウィゴビーのジェネリック薬問題、予想を下回る市場拡大ペース、競争激化を挙げた。

ジェネリック薬の問題は、2022年にウィゴビーとオゼンピック、競合のイーライリリー社の肥満治療薬モンジャロが品薄状態に陥った際、米食品医薬品局(FDA)が「薬剤不足」規定に基づきジェネリック薬の生産を一時的に許可したことに端を発する。今年に入ってこの措置は終了したが、市場では依然としてジェネリック薬が流通している。

ノボノディスクは患者保護のためジェネリック薬との戦いを続けており、大量製造や違法な調剤が依然として行われていると指摘。複数の業者が「個別化調剤」を口実にジェネリック薬を販売していると主張した。

ノボノディスクの業績下方修正はイーライリリーにも波及し、同日のニューヨーク市場でリリーの株価は5.6%下落した。

BMOキャピタル・マーケッツのイヴァン・シガーマン氏は、一部の投資家がイーライリリーとノボノディスク間の肥満治療薬の価格競争を懸念していると指摘しつつ、「ノボノディスクがそのような戦略を取るとは考えにくい。価格競争に踏み切れば、自社が確保した自ら市場を損なうことになりかねない」と分析した。

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