
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は30日(現地時間)、トルコがEU加盟に関して満たしていない条件があるとの見解を示した。
『ドイチェ・ヴェレ』や『アナドル通信』などによると、メルツ首相はこの日トルコの首都アンカラでレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談した後の共同記者会見で、「トルコでは欧州連合(EU)加盟のコペンハーゲン基準を完全に満たしていない事例があった」と述べた。
「コペンハーゲン基準」とは、EU加盟のために満たすべき政治的・経済的・行政的条件を指す。
メルツ首相は、トルコが満たしていない基準が具体的に何であるかは明言しなかった。
『ドイチェ・ヴェレ』によると、メルツ首相の今回のトルコ訪問は、現地検察がエクレム・イマモール・イスタンブール市長に対して新たな容疑を提起した中で行われた。
イマモール市長はエルドアン大統領の政敵として知られる人物だ。検察は同氏がスパイ行為に関与したと主張している。 それでもメルツ首相は、トルコのEU加盟を望んでいると述べた。コペンハーゲン基準など、トルコのEU加盟に関連して「引き続きこうした議論を継続したい」と述べた。
メルツ首相は、世界が「主要大国が国際政治を主導する新たな地政学的な段階」に入ったとし、「ドイツとEUとして戦略的パートナーシップを深める必要があり、トルコはその過程から外すべきではない」と述べた。
メルツ首相は「わが国に関わるすべての外交政策および安全保障問題において非常に重要な役割を果たしている」と強調し、トルコとのより緊密な協力を推進すると述べた。
これに対し、エルドアン大統領は、「この件に関するトルコの確固たる決意がEU内で認められれば、非常に短期間のうちに相当な進展を達成できるだろう」と応じた。 また、エルドアン大統領は「トルコがコペンハーゲン基準に従って評価されるのなら、アンカラにはヨーロッパおよび世界との関係を導く独自の基準であるアンカラ基準がある」と述べた。
エルドアン大統領は「アンカラ基準を通じて我々はヨーロッパと世界に自国を開放する」とし、「トルコは単なるヨーロッパやアジアの国ではなく、ヨーロッパとアジア、そして全世界でこのプロセスを効果的に実行する民主主義国家だ」と強調した。そして「何の問題もない」と付け加えた。 エルドアン大統領はヨーロッパの安全保障環境の変化に伴い、防衛供給問題を解決し、共同プロジェクトを通じて国防協力も強化する必要があると述べた。
また、ドイツとの経済関係を「優れた」水準とし、ドイツがヨーロッパではトルコの最大の貿易パートナーだと述べた。現在500億ドル(約7兆6,000億円)に達する両国の貿易規模を600億ドル(約9兆1,000億円)に拡大することを目指すと語った。














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