
北朝鮮問題を長年分析してきた韓国の専門家は最近、金正恩政権が中国の習近平国家主席との関係で微妙な亀裂を生じさせつつあり、体制内部にも不安定要素が広がっているとの見解を示した。
この専門家によれば、金正恩委員長と習近平主席の関係では、これまで強調されてきた伝統的友好とは異なり、不協和音が明確に感知され始めているという。これまで北朝鮮は中国支援への依存度が高かったが、近期では北京側が圧力を強め、支援にも慎重姿勢を示す場面が増加しているとした。
北朝鮮は依然として国際制裁下に置かれているが、その中で中国依存を抑えようとし、ロシアとの軍事・経済協力を積極的に拡大してきた。こうした動きは、中国が最重要視する朝鮮半島の安定と非核化政策に抵触する可能性があり、北京の警戒心を刺激する要因となり得る。
さらに、北朝鮮が国際社会へ発信する最近のメッセージには、中国への配慮が感じられない独善的な表現が散見され、習近平政権に背信の印象を与える可能性があるとの分析もある。金正恩氏の予測し難い行動は、朝鮮半島情勢の不確実性を高めるだけでなく、米中対立の中で北朝鮮の戦略的位置づけを改めて揺さぶる動きとも読み取れる。

また、米国が韓国側に承認した原子力潜水艦の戦力強化は、北朝鮮にとって軍事的圧力として無視し得ない要素だ。原子力潜水艦は高い秘匿性を備え、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と組み合わせることで北朝鮮の核戦力に一定の抑止効果を持つ。
有事の際には、日本海や西海における行動自由度が高まり、封鎖的運用も可能となる。韓国側の専門筋は、北朝鮮体制が不安定化する局面でも地域全体の安定維持に資する可能性があるとしている。
金正恩政権の独自行動は中国との関係に緊張を生み、北朝鮮の行方をさらに不透明にしている。朝鮮半島を取り巻く環境が揺らぐ中、周辺各国は北朝鮮の軍事動向と中朝関係の変化を引き続き注視せざるを得ない状況にある。













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