
米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」などは8日、中国が自国として過去最大で、世界初となる1兆ドル(約155兆9,510億円)を超える貿易黒字を記録したと報じた。
続けて、この黒字が累積12か月ではなく11か月間で達成された点に触れ、ドナルド・トランプ米大統領による関税強化の最中に実現したと伝えた。
中国は2024年、商品・サービスを含む12か月間の貿易で、輸出3兆5,800億ドル(約558兆931億円)、輸入2兆5,900億ドル(約403兆7,601億円)となり、9,900億ドル(約154兆3,282億円)の貿易黒字を計上した。1兆ドルには100億ドル(約1兆5,592億円)及ばなかったが、規模は世界最大だった。
同日、中国税関総署は、年初から11か月間の貿易黒字が1兆800億ドル(約168兆4,000億円)に達したと発表し、市場予想を上回った。
「NYT」は、累積黒字が前年同期比21.7%増加したとし、関税引き上げに対する対応として、中国が輸出先の分散を進めたと分析した。
トランプ大統領は就任から15日を待たず、2月初めに相互関税措置を発表した。主要な対象は、2018年に第1期政権下で貿易摩擦が激化した中国だった。
対中報復関税は、フェンタニル問題を理由とする措置を含め、4月初めに145%に達した。中国も125%で対抗した。5月以降、両国は協議を再開し、5回の交渉と10月30日の韓国・慶州での米中首脳会談を経て、関税率は47%対24%に引き下げた。
米国の実効関税率は、相互関税発表直前まで、対韓国0.2%を含め、世界平均で2.2%だった。発表後は一時28%に達し、その後22%前後まで低下した。
対中実効関税率は47.5%に達し、専門家が貿易継続の限界とみる40%を上回った。
中国は11月まで、大豆を中心に対米輸入を約2割削減し、前年同様、対米輸出が輸入の約3倍となる構造を維持した。あわせて、東南アジア、欧州、アフリカ、南米向け輸出を拡大した。
一方、米商務省は8日、10月分の貿易統計を公表する。月別および累計での「世界最大の貿易赤字国」とする状況が改めて表面化する見通しだ。
連邦政府のシャットダウンにより9月分の公表が見送られる中、最新となる8月分の統計では、8か月累計の貿易赤字が7,135億ドル(約111兆2,339億円)に達した。
相互関税を警戒した米輸入業者が2月と3月に前倒しで輸入を拡大した結果、累計赤字は前年同期の5,710億ドル(約89兆249億円)から25%増加した。
米国の2024年通年の貿易赤字は9,035億ドル(約140兆8,637億円)だった。この水準から11%増加すれば、貿易赤字が1兆ドルを超え、史上初かつ世界初の記録となる。
中国が11か月間で1兆ドル超の貿易黒字を計上したのとは対照的に、米国は第2期トランプ政権の初年にあたる今年、11か月または12か月で貿易赤字が1兆ドルを超える可能性がある。














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