
台湾有事への関与の可能性に関する高市早苗首相の発言をめぐって中国との緊張が高まる中、両国間を結ぶ国際フェリーの運航も中止されたことが明らかになった。
「ニューシス」の報道によると、9日付の香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は、中国・上海と大阪、神戸を結ぶフェリー「鑑真号」の運航が6日から中止されたと、旅客船運営会社の日中国際フェリーが前日に明らかにしたことを報じたという。
同社は、運航中止について中国側の要請があったとし「両国間の旅行の安全が確保できないとの懸念が背景にある」と説明した。
運航中止は当面続く見通しで、再開時期は現時点で不透明だという。
鑑真号は、中国・唐代に日本へ渡った中国の高僧の名前にちなんで名付けられた。743年から754年にかけて東シナ海の横断に5度失敗し、6度目の挑戦で成功した際には航海中の感染症で視力を失ったとされる。
鑑真とその弟子たちは中国の仏教や文字、書道などを日本に紹介し、両国間の文化交流の象徴とされていると同紙は伝えた。
「SCMP」は、今回のフェリー運航中止について、高市首相の発言を契機に悪化した日中間の外交摩擦の影響と分析している。
中国は先月、自国民に日本旅行の自粛を呼びかけており、去る5日には主要航空会社が日本行き航空券の全額返金措置を来年3月28日まで3カ月延長すると発表した。














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