
ドナルド・トランプ米大統領による対イラン軍事作戦とホルムズ海峡への派兵要求が引き起こした対立が、米国と同盟国の間の亀裂と不信を改めて浮き彫りにしている。事前協議なしに戦争を開始した上でリスク分担を求める米国と、これに一線を画す同盟国が真っ向から衝突し、西側の同盟体制が根底から揺らぐ様相を呈している。
トランプ大統領は17日、同盟国による相次ぐ派兵拒否に露骨な不快感を示した。自身の「SNS」を通じて「NATO(北大西洋条約機構)には非常に失望した」と述べ、「ほぼすべての国がイランの核開発阻止には同意しながら、軍事作戦への関与は拒んだ」と批判。さらに「日本、オーストラリアなどの助けは必要ない」と宣言し、その後、記者団に対しても「彼らは非常に愚かな過ちを犯している」と語った。盟友のリンジー・グラハム共和党上院議員は、大統領と直接会談した直後、自身のSNSに「これほど激昂する大統領を見たことがない」と投稿するほどだった。
これに先立ち、欧州をはじめとする主要同盟国は、米国の一方的な派兵構想に一斉に拒否の意を明確にした。フランスのマクロン大統領は「我々はこの紛争の当事者ではなく、ホルムズ作戦には絶対に参加しない」と明言。ドイツのメルツ首相も「これはNATOの戦争ではない」と述べ、米国と最も緊密な関係にある英国のスターマー首相でさえ「英国がさらなる戦争に巻き込まれることはない」と表明した。同盟の支援は不要とするトランプ氏の強硬な宣言は、即座に独自の軍事行動へとつながった。米中央軍はこの日、ホルムズ海峡近くの沿岸に配備されたイランの強化型ミサイル基地数カ所に2.3トン級の地中貫通爆弾(バンカーバスター)を投下し、対艦巡航ミサイル戦力を攻撃したと発表した。同盟国の消極的な姿勢が続く中、示威行動として単独での武力行使に踏み切ったと解釈されている。
イラン最大のガス田が爆撃「経済全面戦争だ…湾岸諸国の石油施設に報復」
イラン最大のガス田であるサウスパルスと、それに直結するアサルーイェの天然ガス精製施設群が米国とイスラエルのミサイル攻撃を受けたと、イランの「ファルス通信」が18日に報じた。両国はこれまでイランの核・ミサイルなど軍事施設を重点的に攻撃してきたが、産業基盤への広範な攻撃へと拡大する様相を見せている。イランが即座に強力な報復を宣言したことで、湾岸地域の石油インフラを標的とした破壊的攻撃が相次ぐとの懸念が広がっている。
「イラン国営放送」はこの日、「サウスパルス・ガス田の第3・4・5・6区画が米国・イスラエルの攻撃を受けて火災が発生し、稼働が停止した」と伝えた。「ファルス通信」は「敵(米国・イスラエル)がアサルーイェのガス精製施設を攻撃した」とし、施設内各所で大規模な爆発音が複数回にわたり轟いたと報じた。米国際放送局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」のペルシャ語放送も「X(旧ツイッター)」に「サウスパルス精製施設への攻撃とみられる」として、黒煙に覆われた現場の動画を投稿した。この攻撃による人的被害の有無は確認されていない。
ペルシャ湾岸に面したアサルーイェの精製施設群は、世界最大級の海上ガス田の一つであるサウスパルスから採取した天然ガスをパイプラインで受け入れ、精製・加工するイランの代表的エネルギー施設だ。施設が位置するブシェフル州当局は「サウスパルス・ガス田の複数の区画に『シオニスト(イスラエル)』と米国の発射体が着弾した」とし、「被弾した区画は火災拡大を防ぐため稼働を停止した」と述べた。
イランは湾岸地域の石油・ガス施設への報復を予告した。報復攻撃を主導する革命防衛隊はこの日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールのエネルギー施設を攻撃すると威嚇。サウジのサムレフ製油所やジュバイル石油化学コンビナート、UAEのアル・ハサンガス田、カタールの石油化学工場など具体的な施設名を列挙した。イラン当局は「戦争の方程式は新たな局面に入った」とし、「戦いの重心は限定的な戦闘から『全面的な経済戦争』へと移行した」と宣言した。「ファルス通信」は「今夜から『レッドライン(越えてはならない一線)』は変わった。敵が今回の攻撃でイランを後退させられると考えているなら、完全な見当違いだ」と警告した。
イランが宣言通りに報復を実行した場合、イスラエルによる追加攻撃が続く可能性がある。イスラエルのカッツ国防相はこの日、「本日、全戦線にわたって『重大な展開』が予想され、イランおよびレバノンのヒズボラとの戦闘がさらに激化する」と述べており、イランへの広範な攻撃対象に主要エネルギー施設が含まれていた可能性がある。
この日の事態を受け、湾岸諸国は緊張状態に入った。イランとサウスパルス・ガス田を共有するカタール外務省は緊急声明を発表し、「エネルギーインフラへの攻撃は世界のエネルギー安全保障、中東の市民、環境への脅威だ」とし、「当事者は最大限の自制を発揮すべきだ」と訴えた。さらに「今回の攻撃は危険かつ無責任だ」として米国とイスラエルを批判した。イランの報復攻撃をめぐり連帯してきた米国・イスラエル・湾岸諸国の間に亀裂が生じる様相だ。イランは開戦後、サウジのラス・タヌラ製油所、カタールエナジーの液化天然ガス(LNG)生産ライン、UAEのルワイス石油化学コンビナート、バーレーンの製油所など、エネルギーインフラへの攻撃を集中的に展開している。













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