
ウクライナが黒海沿岸の港湾都市トゥアプセの製油施設を相次いで攻撃し、ロシアが強く反発している。
ロイター通信などが28日(現地時間)に伝えたところによると、ウクライナのドローン攻撃により、トゥアプセの製油施設で再び大規模火災が発生した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこれを民間インフラへの攻撃だとして非難している。
プーチン大統領は同日のテレビ演説で、民間インフラへのドローン攻撃が増加していると指摘し、トゥアプセのエネルギー施設への攻撃は深刻な環境への影響をもたらす可能性があると述べた。
報道によると、ウクライナ軍はトゥアプセを16日と20日に続き、28日にも攻撃したという。この影響で港湾上空には激しい炎と黒煙が立ち上り、欧州気象衛星機関(EUMETSAT)の衛星画像にもその様子が映し出された。
トゥアプセ製油所火災で「油の雨」も
ウクライナメディア「ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ(NV)」は、火災で発生した黒煙が約380キロにわたり拡散したと報じた。同メディアは、通常は地上の現象を識別しにくい気象レーダーでも、今回の火災は規模が大きく影響が確認されたと伝えた。
環境への影響も深刻だ。ロシア当局は4,000立方メートル以上の汚染土壌や油混じりの水を回収したものの、汚染範囲は拡大を続けており、一部地域では「油の雨」が降ったと明らかにした。
「油の雨」とは、大規模な石油施設の火災で発生した黒煙やすす、微細な油粒子が上空に拡散し、雨雲と混ざったり、降雨に付着したりして地上に落下する現象を指す。
さらに、近隣のソチ沿岸ではイルカをはじめ、魚や鳥が大量に死んだ状態で発見されている。
ウクライナ、ロシア石油収入の遮断狙う
ウクライナがトゥアプセの製油施設への攻撃を繰り返しているのは、ロシアの石油産業に打撃を与え、戦争資金の原資となる収入を減らすことが狙いとみられている。
トゥアプセ製油所は年間約1,200万トンの原油処理能力を持つが、16日の攻撃以降、操業を停止している。先月もウクライナは、ロシアのバルト海最大の石油輸出港ウスチ・ルガをはじめ、プリモルスクやノヴォロシースクなどの港湾施設に相次いでドローン攻撃を仕掛けている。
原油輸出が滞れば、パイプラインや貯蔵施設が飽和状態となり、生産量の削減を余儀なくされる可能性がある。特に世界第2位の石油輸出国であるロシアの供給が減少すれば、イラン情勢によって不安定化している原油市場にさらなる影響を与える可能性がある。
ロイター通信は、ウクライナが輸出用原油貯蔵施設を攻撃し、世界的な石油不足を悪化させているとロシア側が非難していると伝えた。
一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は以前、ロシアの原油輸出量は世界市場価格に大きな影響を与える規模ではないとの見解を示していた。













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