
米国と中国が首脳会談後にそろって関係安定を強調した一方、イラン問題を巡る説明では双方の立場の違いが鮮明となった。
ホワイトハウスは会談後、中国の習近平国家主席がイランの核保有に反対し、ホルムズ海峡での通行料徴収にも反対する立場を示したと発表した。米国側は、中国が対イラン圧力に一定の理解を示したとの認識を強調した形だ。
これに対し、中国外交部が翌日に公表した声明では、「新たな共通認識」や「建設的戦略的安定関係」といった表現が盛り込まれた一方、「イランの核保有反対」には直接言及しなかった。
中国側は「戦争を続ける必要はない」「対話と交渉が解決への道だ」と説明し、停戦や交渉再開の必要性を前面に打ち出した。
米国が中国との対イラン協調を印象付けようとしたのに対し、中国は中東問題で仲介役としての立場を維持する姿勢を示した格好だ。
15日、中国外交部は報道官声明で、前日に北京で開かれた米中首脳会談について、「両国首脳が一連の新たな共通認識に達した」と発表した。
さらに、米中関係を「建設的戦略的安定関係」に発展させることで一致したと説明し、今後の両国関係の方向性を示すものだと評価した。
一方、イラン問題を巡る説明には隔たりがみられた。
ホワイトハウスは、習近平国家主席がイランの核保有に反対する立場に同意したと説明したが、中国側声明では関連する記述は盛り込まれなかった。
中国外交部は「対話の扉は再び閉ざされるべきではない」とし、核問題そのものよりも緊張緩和や外交的解決を重視する姿勢を示した。
外交筋の間では、同じ会談について米中双方が異なる形で対外説明を行ったとの見方が出ている。
イラン核問題は現在、米国の中東戦略における重要課題の一つとなっている。トランプ政権は、中国、ロシア、イランの連携を安全保障上の脅威として警戒を強めている。
こうした中、米国としては、中国もイランの核保有に反対しているとの構図を国際社会に示す狙いがあったとみられる。
一方、中国は米国との対立激化を避けつつ、イランとの関係維持も図る必要がある。
中国は中東産原油への依存度が高く、ホルムズ海峡情勢の不安定化が長期化すれば、エネルギー供給や経済活動への影響が避けられないためだ。
中国外交部も声明で、「世界経済の発展と国際エネルギー供給の安定性が深刻な影響を受けている」と指摘した。
中国側は、米国との関係安定を模索する一方、米国主導の対イラン圧力路線に全面的に加わっているとの受け止めが広がることは避けたい考えとみられる。
このため、中国側声明では「政治的解決」「包括的停戦」「全当事者の懸念への配慮」といった表現が並び、「圧力」や「制裁」など強硬色の強い用語は用いられなかった。
今回の首脳会談では、米中双方が関係安定を掲げたものの、安全保障やエネルギー、中東秩序を巡る戦略的思惑の違いが改めて浮き彫りとなった。
















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