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「腸内で勝手にお酒を作る症候群」から「ベーコンで脳に寄生虫」まで…2024年に報告された衝撃の医療事例TOP10

荒巻俊 アクセス  

引用: BMJ Case Reports 2024
引用:BMJ Case Reports 2024

2024年も、腸内でアルコールを生成する真菌から寄生虫の脳感染まで、奇妙な医療症例が相次いだ。多くの人々がこのような疾患の存在に驚きを隠せなかった。これらの中には原因が解明されたものもあれば、未だ謎に包まれているものもある。科学系メディア「Live Science」が、10の奇異な医療事例をまとめた。

1. ベーコンを食べたら脳内に寄生虫が

アメリカのある中年男性が偏頭痛を訴えて病院を訪れ、衝撃的な診断結果を受けた。彼は豚の寄生虫であるタエニア・ソリウム嚢尾虫(Taenia solium)の幼虫に感染していた。その幼虫は脳内に小さな嚢胞を形成しており、男性は後頭部の腫れと痛みを訴えていた。医師たちは、十分に加熱されていないベーコンを食べたこと、トイレ使用後に適切な手洗いを怠ったことが感染原因ではないかと推測した。

2. プロバイオティクスによる血流感染

多くの人が腸内環境の改善や免疫力強化を目的にプロバイオティクスを摂取している。しかし、プロバイオティクスが時に菌血症として知られる血流感染を引き起こすことがある。特に免疫系が弱い人や消化器系に問題がある人は罹患リスクが高い。日本在住の70代男性は、細菌感染症の治療のためにプロバイオティクスを投与され入院したが、サプリメントに含まれていた細菌が血流に侵入し、多臓器不全により死亡した。

3. 女性のまぶたの中で成長した虫

中国の41歳女性が右目に異物感を覚え病院を受診した。2回目の診察で、医師たちは彼女のまぶたの中で4匹の生きた白い虫がうごめいているのを発見した。これらの虫は寄生虫疾患であるテラジア症(Thelaziasis)の原因となる東洋眼虫(Thelazia callipaeda)という種であることが判明した。

4. 片眼の失明が肺がん発見のきっかけに

32歳の女性が約3週間にわたり、右目の突然の視力喪失と左目の閃光症状を経験した後に、肺がんと診断された。医師らの検査により、彼女の目で腫瘍性病変が成長し、右目の網膜剥離を引き起こす体液が蓄積していることが判明した。胸部X線検査と全身スキャンの結果、この症状は右肺下葉から発生し、後に眼に転移した腫瘍によるものであることが明らかになった。

5. 目の中で2年間生存した寄生虫

コンゴ民主共和国の28歳女性の左目に、2年間寄生虫が生息していた。通常、蛇に寄生するこの虫は約10mmまで成長し、眼球の透明な外膜である結膜の下に潜伏、「眼球五角虫症」という稀な疾患を引き起こした。医師らは、汚染されたワニ肉の摂取が感染原因である可能性を指摘した。

6. ヘッドスピンで頭部に腫瘤ができたブレイクダンサー

あるブレイクダンサーが頭部を床に付けて回転する技を繰り返した結果、「ヘッドスピンホール」と呼ばれる大きな腫瘤ができた。この男性は約20年間、週5回、毎回2〜7分間頭頂部に圧力をかけるヘッドスピンの練習を続けていた。手術によってこの突起物は除去された。

7. 結核が原因でできた硬いイボ

ある男性の手に硬く巨大な黄色いイボが発生した。これは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染に対する免疫反応であった。結核は通常肺を冒すものだが、約1.5%の症例で皮膚に影響を及ぼすことがある。この場合は、細菌が開放創や擦り傷から体内に侵入することで発症する可能性がある。幸いにも、この種の結核は抗生物質による治療が可能である。

8.腸内でアルコールを生成する微生物

50歳の女性が眠気と言語障害を訴え、2年間で7回も救急搬送された。彼女はアルコールを摂取していないにもかかわらず、酩酊状態のような症状を見せていた。医師らが呼気からアルコール臭を検知し、精密検査を行なった結果、彼女の腸内にあった真菌が炭水化物をアルコールに変換する極めて稀な「自動醸造症候群」を患っていることが判明した。

9. 脊髄嚢腫が数年にわたり早漏を引き起こす

32歳の男性は約2年間、痛みと早漏に悩まされていた。医師の診断により、脊髄付近の神経を圧迫するタルロフ嚢腫と呼ばれる卵形の嚢胞が発見された。この神経は骨盤からの運動信号の伝達と感覚情報の伝達を担っている。この神経が圧迫されることにより男性の性機能障害が起こっていた。

10. クマ肉摂取後の寄生虫感染

家族で集まり、夕食を共にした6人が旋毛虫症に感染した。これはクマ、イノシシ、ヤマネコなどの動物に寄生する旋毛虫(Trichinella)という線虫の幼虫を誤って摂取した際に発症する。この家族は45日間冷凍保存されていたアメリカグマ(Ursus americanus)の肉を食べていた。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

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