ヘンリー8世とアン・ブーリンの禁断の恋！歴史を変えた王室ロマンの真実

1533年1月6日、英国王ヘンリー8世がアラゴンのキャサリン王妃との婚姻を無効とし、アン・ブーリンとの結婚を強行したことで、英国史に大きな波紋を投じた。ヘンリー8世とアン・ブーリンの物語は、最も劇的かつ衝撃的で悲劇的な王室ロマンスとして歴史に刻まれている。

ヘンリー8世は、アラゴンのキャサリン王妃との間に男子の後継者がいなかったため、跡継ぎとなる男児を得るべくアン・ブーリンに心を奪われた。アン・ブーリンは美貌と知性を兼ね備えた女性で、ヘンリー8世を強く魅了した。

しかし当時、教会は離婚を厳しく禁じており、特に国王の離婚は一層深刻な問題だった。ヘンリー8世はローマ教皇に離婚許可を求めたが拒否され、ついには英国国教会を設立し、独断で離婚を断行した。

アン・ブーリンは1533年に娘を産んだが、ヘンリー8世は依然として男子を望んでいた。結局、アン・ブーリンは姦通と陰謀の容疑で逮捕され、処刑された。彼女の王妃としての在位期間はわずか1000日間だった。この出来事を題材に、後に『1000日のアン』という映画が制作されている。

アン・ブーリンに対する歴史的評価は時代と視点によって変遷してきた。かつては妖婦や権力に目がくらんだ女性として非難されたが、現代の歴史学者たちは彼女をより複雑な人物として再評価している。最近では、ヘンリー8世の愛を渇望した女性というよりも、時代の変化の中で自らの人生を切り開こうとした強靭な女性として描かれることが多い。

ヘンリー8世とアン・ブーリンの結婚は、英国史のみならず欧州全体に大きな影響を及ぼした。ローマ・カトリック教会の権威への挑戦は宗教改革の端緒となり、英国は独自の国教を持つに至った。また、この事件は英国における絶対王政強化の契機ともなった。皮肉にも、2人の間に生まれた娘エリザベス1世は、英国を強大な海洋帝国へと導き、黄金時代を築いた偉大な君主となった。