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「なぜ浅瀬に?」真昼に現れた「黒い悪魔」発見から2時間で死を迎える【貴重映像】

荒巻俊 アクセス  

深海の怪物「黒い悪魔」が真昼に姿を現す

引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」
引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」
引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」
引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」

スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島沖で、真昼間に「悪魔の魚」が出現し、注目を集めた。

今月8日(現地時間)、海外メディア「マルカ」などによると、現地のNGO「コンドリック・テネリフェ」の海洋生物学者らは先月26日、サメの調査のため出航した際、海岸からわずか2km地点で怪物のような姿の黒い生物を発見した。

開いた口の中には長くて鋭い歯が見え、頭部には光る触手も付いていたという。

学者らが目撃した生物は、水深200~1500mに生息するチョウチンアンコウ目クロアンコウ科のペリカンアンコウ(Melanocetus johnsonii)、通称「黒い悪魔」または「黒い深海の怪物」だった。

ペリカンアンコウは1863年、アフリカのマデイラ諸島付近でイギリスの学者によって初めて発見された。その半数以上が水深1,000m以上の深海で目撃されている。

このような深海魚が昼間に浅い水域で生きた状態で発見されるのは極めて珍しい事だという。しかし、このペリカンアンコウは発見から数時間後に死んだとされる。

深海魚が昼間の浅瀬で発見されたことについて、コンドリック・テネリフェの学者らは「病気や強い海流、あるいは捕食者から逃れるために表層に上がってきた可能性がある」と推測している。一方で、深海環境の変化が原因ではないかと懸念する声も上がっている。

引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」
引用:NGO「コンドリック・テネリフェ」

ペリカンアンコウの特徴は、頭部に発光するランタンのような触手が付いていることだ。頭上に細長く突き出たこの触手は変形した背びれで、先端に共生する発光バクテリアがランタンのように光を放つ。ペリカンアンコウは、この発光触手を灯台のように使って暗い深海を照らし、餌を誘い寄せる。

光る触手を持つのはメスのみだ。ペリカンアンコウはオスとメスの形態が全く異なる性的二形(sexual dimorphism)を示す魚類だ。体長もメスは約60cmであることに対し、オスはわずか4cm程度だ。小さな体に発光触手もないオスは、餌を捕らえても自力で消化できず、メスが唯一の生存手段となる。

オスは優れた嗅覚を使ってメスを探し当て、メスの体に歯を立てて寄生する。するとメスの体から分泌される酵素がオスの体を溶かし始める。こうしてメスと一体化したオスは共有の血管を通じて栄養を摂取し、かろうじて生き延びることができる。しかし数日から数週間後には、生殖器官以外の全ての器官が溶解してしまう。

メスは死に瀕したオスが放出する生殖ホルモンで繁殖するチョウチンアンコウ目に属するクロアンコウ(Melanocetus)という名は、「黒い」を意味するギリシャ語「メラノス(melamos)」と「海の怪物」を意味する「ケトゥス(cetus)」を組み合わせた造語だ。

引用:クリスタルコーブ州立公園
引用:クリスタルコーブ州立公園
荒巻俊
editor@kangnamtimes.com

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