飼い犬を捨て、自ら通報した飼い主
保護が必要な老犬を冷酷に追い出したうえ、自ら警察に「捨て犬がいる」と通報するという衝撃的な事件が起きた。
先日12日、アメリカ・デトロイトの動物保護団体は、飼い主に見捨てられた14歳の老犬「デューク」の悲惨な状況を公表した。
団体によると、「迷子の犬がいる」との通報を受けて現場に駆けつけた警察は、玄関ドアが固く閉ざされた家に入ろうとする犬の姿を目撃したという。
デュークがうろついていたのは、まさに通報者本人の家だった。警察が不審に思い事情を尋ねると、その人物は「私の犬ではない」と強く否定したという。

しかし、通報者はデュークの飼い主であり、彼を捨てた張本人だった。警察はデュークに埋め込まれていた識別チップを確認し、通報者が飼い主であることを突き止めた。
現場に駆けつけた警察官は、「デュークはなぜ自分が家の外に出されているのか理解できていない様子だった」と語った。
保護されたデュークの健康状態は深刻だった。動物保護団体によると、デュークは脱水症状を起こしており、ダニによって感染する「ライム病」も患っていたとのことだ。
団体は、「体調の悪い老犬を家から追い出し、さらに捨て犬だと通報しながら、必死に家族のもとへ戻ろうとするデュークを見捨てた」と非難し、「デュークは最も家族の支えを必要とする瞬間に裏切られてしまった」と述べた。
さらに「現在、私たちの最優先事項は、デュークが必要な医療を受け、健康を取り戻したうえで、本当に彼を愛し大切にしてくれる家庭で新たな生活を始められるよう支援することだ」と強調した。
現地警察によると、デュークを遺棄した飼い主は、虚偽通報を含む複数の容疑で今後警察の事情聴取を受ける予定だという。