
スイスの小さな町で、交通取締用の速度カメラに「マガモ(野生のオスのカモ)」が写り込み、地元警察が困惑する出来事があった。
英BBCなどの報道によれば、スイス・ベルン州南部のケーニッツ市警察は、先月13日、30km制限の道路を時速52kmで飛行するマガモが交通カメラに捉えられたと発表した。
警察がフェイスブックに公開した画像には、マガモが道路すれすれを低空で飛んでいる様子が鮮明に写っていた。速度超過で撮影された「違反者」が人間ではなく鳥だったことに、ネット上では笑いと驚きの声が広がっている。

さらに驚くべきことに、まったく同じ日付・同じ場所で、7年前にもマガモが速度違反カメラに写っていたという。警察はその当時もSNSで写真を公開しており、今回の件が「やらせ」ではなく偶然の一致であることが判明した。
ケーニッツ警察の担当者は「画像やレーダーの改ざんは不可能。カメラは毎年スイス連邦計量研究所によって校正・テストされており、記録も厳重に保管されている」とコメントしている。
水鳥であるマガモは、通常でも時速64〜97kmの速度で飛行可能。なかには時速80kmを超える個体も存在する。昨年春には、野生動物生態研究所がGPSで追跡していたマガモが時速165kmを記録し、研究者たちを仰天させたこともある。これは風向きと飛行ルートが一致したことによる「偶然のハイスピード」と考えられている。