メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

「生きた動物の肉を食い破る」…寄生バエが北米で再び脅威拡大中!撲滅困難で数千万頭の牛が危機!

荒巻俊 アクセス  

引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません

いわゆる「肉を食い破るウジ虫」として知られる寄生バエが北中米地域を脅かし、現地の畜産農家に恐怖が広がっている。

問題の寄生バエの学名はラセンウジバエ(Cochliomyia hominivorax)で、アメリカでは一般的に「新世界スクリューワーム(New World screwworm)」と呼ばれている。

通常のハエが食べ物や糞尿、死骸などに群がるのに対し、この寄生バエは生きた動物の傷口の臭いに引き寄せられるという。メスはその傷口に卵を産み付け、孵化した幼虫(ウジ虫)は生きた組織を攻撃的に食い破り、宿主に激しい苦痛を与える。治療を受けなければ、宿主を死に至らせることもあるほど致命的な寄生虫だ。

引用:テキサスA&M大学・ウィキペディア
引用:テキサスA&M大学・ウィキペディア

この寄生バエは長年にわたり北中米地域の悩みの種であり、畜産業に甚大な被害を与えてきた。

国連食糧農業機関(FAO)によると、1960年代、アメリカ・テキサス州の酪農家が報告したこの寄生バエの治療件数は、年間約100万件に達したという。

当時、科学者たちと政府は北米での寄生バエ撲滅作戦に成功した。この寄生バエのメスは産卵前に一度しか交尾をしないのに対し、オスは何度も交尾をする。これを利用し、不妊処理を施した数十億匹のオスを野外に放って、メスの産卵を阻止する作戦を展開したのだ。

この不妊作戦に加え、畜産農家による防疫措置や寒冷な気候も後押しとなり、1982年前後には北米においてこの寄生バエは絶滅寸前に追い込まれた。

この撲滅事業には総額7億5,000万ドル(約1,090億2,430万円)が投じられ、その結果、北米での牛の生産量が大幅に増加した。

その後、数十年間にわたって、パナマに設けられた施設では南米から北米への寄生バエの再侵入を防ぐため、定期的に数千万匹規模の不妊バエが定期的に放出されているという。

引用:テキサスA&M大学
引用:テキサスA&M大学

しかし、2022年以降、この寄生バエは中米諸国を経て再び北上し始めた。2023年にはパナマで発生件数が急増し、昨年11月にはついにメキシコまで拡大した。

科学者たちは、この再拡散の要因として▲家畜輸送に便乗したハエの移動 ▲寄生バエの生存に適した気温上昇 ▲不妊オスを避けるよう進化したメスの交尾行動、などの可能性を挙げている。

『ザ・コンバセーション』によると、現在中米地域で約1,700万頭の牛がこの寄生バエの脅威にさらされており、今後さらに深刻化する可能性があると伝えられている。特に、メキシコの2倍以上の牛を飼育しているアメリカの畜産業も危機に直面しており、テキサス州とフロリダ州だけで約1,400万頭の牛が寄生バエの再侵入の危機にさらされているという。

人間も例外ではない。今年4月以降、メキシコでは人間がこの寄生バエに感染した事例が少なくとも8件報告されている。

アメリカは当面、メキシコからの生体動物の輸入を一時停止することを決定した。また、メキシコ政府および中米諸国と連携し、新世界スクリューワームの監視体制を強化するとともに、不妊オスを用いた防除事業にも緊密に協力している。

米農務省(USDA)は、パナマの農業開発省と連携して、不妊オスの蛹の生産量を増やすための資金支援を行っている。

1980年代には、メキシコで週あたり5億匹以上の不妊バエが放たれていた。米農務省は近年の供給不足を補うため、メキシコ・メタパに2,100万ドル(約30億5,278万円)を投資して、週6,000万〜1億匹の不妊オスを生産可能な施設を新たに整備した。

ただし、不妊バエを生産し、人や生態系に悪影響を及ぼさないよう無菌処理を施した上で放出するプロセスには時間がかかる。そのため、寄生バエの個体数を即時に減少させるのは困難な状況だとされている。

過去にも不妊オスの放出と同時に化学的防除を併用した実績があり、今回の寄生バエ再出現にも総合的な防除対策が取られている。

とはいえ、その他にもいくつかの課題が残されている。まず、この寄生バエの北米再出現は数十年ぶりのこととなるため、対処経験のある獣医師や専門家、農家が極めて少ないのが実情だ。

また、気候変動による気温の上昇もあり、かつてのような撲滅は容易ではないとの悲観的な見方も出ているという。

荒巻俊
CP-2022-0278@fastviewkorea.com

コメント0

300

コメント0

[トレンド] ランキング

  • 「トランプのせいなのか?」NFLトランス女性が突然除名、政権交代と同時発生の異様な一致
  • 「腹の中に9kgが溜まっていた」便秘放置で40代男性死亡、施設内部の判断に疑問が集まっている
  • 「完璧な息子はもうやめる!」東京大学卒・ミズキさん、“女装”とライブ配信で新たな人生
  • 「まだ生きていた!」棺で目覚めた60代女性、火葬直前の復活劇に家族絶句
  • 教え子一家3人殺害のテコンドー指導者に最高刑求刑…“成功者の虚像”が招いた惨劇
  • 韓国で故意に髪を鍋へ落とした女子学生、返金を狙った手口だった

こんな記事も読まれています

  • 「免許もいらないって?」、米国でフライングカーがついに公開飛行
  • 整備工場が絶対に言わない、“見落とすだけで年間数万円消える習慣”
  • トヨタが米国で再値上げに踏み切る、強気の価格戦略は日本市場にも波及するのか
  • 急な冷え込みが招く“静かな危険”、朝の凍結チェックを知らずに壊れる車
  • 「軽さは正義、だが万能ではない」iPhone Air購入前に知るべき落とし穴
  • 米ホワイトハウス至近の銃撃犯、まさかの“元CIA協力”アフガン出身者だった
  • 「女性だけ標的に罵倒」トランプの“片方向の怒り”が暴いた露骨な弱者蔑視
  • 「腹の中に9kgが溜まっていた」便秘放置で40代男性死亡、施設内部の判断に疑問が集まっている

こんな記事も読まれています

  • 「免許もいらないって?」、米国でフライングカーがついに公開飛行
  • 整備工場が絶対に言わない、“見落とすだけで年間数万円消える習慣”
  • トヨタが米国で再値上げに踏み切る、強気の価格戦略は日本市場にも波及するのか
  • 急な冷え込みが招く“静かな危険”、朝の凍結チェックを知らずに壊れる車
  • 「軽さは正義、だが万能ではない」iPhone Air購入前に知るべき落とし穴
  • 米ホワイトハウス至近の銃撃犯、まさかの“元CIA協力”アフガン出身者だった
  • 「女性だけ標的に罵倒」トランプの“片方向の怒り”が暴いた露骨な弱者蔑視
  • 「腹の中に9kgが溜まっていた」便秘放置で40代男性死亡、施設内部の判断に疑問が集まっている

おすすめニュース

  • 1
    「炎に包まれたイラク最大ガス田」…ガス貯蔵タンクにドローン襲撃で操業完全停止!

    ニュース 

  • 2
    「米テックに手を出すな」韓国に“通商法301条”で恫喝…これぞ露骨な“ダブルスタンダード”の極み!

    ニュース 

  • 3
    H.O.T.チャン・ウヒョク、16歳年下女優との交際を初告白「番組がきっかけで恋愛感情が爆発」

    エンタメ 

  • 4
    「自ら公表したわけではなかった」報道の誤解をすべて説明…46歳での結婚準備と幸せへの覚悟

    エンタメ 

  • 5
    メンバー全員が徹底ダイエット&トレーニング?NOWZのアルバムコンセプトに合わせた体作りのこだわり

    エンタメ 

話題

  • 1
    「妊娠初期でも笑顔で撮影を乗り切った」15年ぶりに共演した女優が明かす『上の階の人たち』撮影秘話

    エンタメ 

  • 2
    「A-10もアパッチも戦力外通告」...米軍、有人機を見捨て“100万機ドローン軍”へ超速シフト!

    ニュース 

  • 3
    OH MY GIRLヒョジョン、即興ダンスも愛嬌も全力♡理想のタイプは「愛嬌を受け止めてくれる人」

    エンタメ 

  • 4
    「もっと大きくしろ VS 自制しろ」トランプ氏、“豪華宴会場拡張”で設計者と数週間バトル!

    ニュース 

  • 5
    キム・ウビンとの結婚目前!女優シン・ミナが明かすウェディングドレスのこだわり

    エンタメ