
最近、韓国の小学生の間で実際の医療用注射針が含まれた「ニキビ潰しおもちゃ」が流行しており、保護者や関係機関による注意喚起が求められている。
23日、教育当局によると、最近小学生の間で「エイリアン・ニキビ潰し」というおもちゃが流行しているという。このおもちゃは、注射針で人形の顔に異物を注入し、それを手で絞り出す仕組みになっている。
最近、YouTubeなどインターネット上にこのおもちゃで遊ぶ動画が次々と投稿され、小学生の間でブームのように広がっている。
14歳未満でも無人店舗や文房具店で自由に購入可能
問題は、このおもちゃに含まれている注射器が金属製の実物の医療機器であるという点だ。先端が非常に鋭く、子どもが使用中に刺したり怪我をしたりする恐れがあるといわれている。
また、この注射器に入れるクリームや着色料は中国から直輸入されており、正確な成分や有害性についてはまだ確認されていないという。
本来、子ども向けのおもちゃは安全認証を必ず受けなければならないが、当製品はヨーロッパで通用するCE認証マークのみが付いていることが確認されている。
韓国内では13歳未満向けのおもちゃについて、厳格な検査を通じて国家統合認証マーク(KC認証マーク)を取得する必要があるが、この製品は販売対象を14歳以上に設定することで、法の規制を回避して流通しているのだ。
江原教育愛保護者連合は「実際の購入者の大半は小学生など14歳未満の子どもで、特に年齢確認もなく無人店舗や文房具店で自由に購入できる」とし「医療機器法では、注射器は許可を受けた場合にのみ流通・販売が可能で、これに違反した場合、明らかな『医療機器法違反』に当たる」と指摘した。
さらに「これは単なるおもちゃの域を超え、子どもの身体的安全を深刻に脅かすものであり、青少年に誤った医療機器の使用や身体への危険な行為を真似させるおそれがある」と懸念を表明した。
このため、教育当局は各小学校に向けて、当製品に関する注意喚起の家庭向け通知文を送付するなどの措置を講じているという。
異物を注入した場合、炎症・感染・誤嚥性肺炎などのリスクも
子どもが遊び半分で自身の皮膚に異物を注射した場合、炎症や感染のリスクがある。異物が体内に入ると、刺した部位に膿や腫れなどの症状が現れ、消毒や抗生物質などの応急処置が必要になるのだ。
また、異物が血管内に入った場合、アレルギー反応やショックなど、命に係わる疾患を引き起こす可能性もある。さらに、異物を誤って飲み込み、気道に入った場合には排出が困難になり、誤嚥性肺炎などを引き起こす恐れもあるとされている。
誤嚥性肺炎は、胃や口腔内の分泌物に含まれる病原性細菌が食道ではなく気管を通って肺に入ることで感染が起こる病気だ。健康な成人であれば、多くの場合は抗生物質で治療できるが、乳幼児の場合は肺炎や合併症によって命に関わる深刻な病気となる危険性があるという。
誤嚥性肺炎が発症すると、発熱、悪寒、咳、呼吸困難などの症状が現れる。誤嚥性肺炎は外部物質による感染であるため、異物の種類によって症状は異なり、重症化した場合には胸膜炎、敗血症、髄膜炎などの合併症を引き起こすこともあるといわれている。
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