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「頭部強打後に犯罪に走る?」脳損傷と犯罪行為の驚くべき因果関係が明らかに

有馬侑之介 アクセス  

脳損傷と犯罪行為の関連性、新たな研究結果が注目を集める

新たに発表された脳の特定部位の損傷が犯罪行為につながる可能性があるという研究結果が注目を集めている。

27日(現地時間)、米メディア「ニューヨークポスト」は、コロラド大学医学部とハーバード大学医学部の研究チームが、脳損傷後に犯罪に走るようになった人々の脳スキャンを分析した結果、大脳右前頭葉前部にある「鉤状束(uncinate fasciculus)」の損傷と犯罪行為が密接に関連していることが明らかになったと報じた。

引用:ゲッティイメージズ
引用:ゲッティイメージズ

研究チームは、脳卒中、腫瘍、外傷性脳損傷(TBI)などにより頭部外傷を負った後に犯罪を犯し始めた17名の脳スキャンを分析した。

これを様々な記憶障害やうつ病などの神経学的問題を抱える706名の他の患者と比較した結果、犯罪行為に関与した人物の脳の右鉤状束が損傷していることが判明した。

コロラド大学医学部の神経学名誉教授で今回の研究の共同著者であるクリストファー・M・フィリー博士は、「鉤状束は感情と意思決定を司る脳領域をつなぐケーブルの役割を果たす白質経路だ」と説明した。

フィリー博士は「この接続が断たれると、感情の調整や道徳的判断を行う力が大きく損なわれる可能性がある」と補足した。

過去の研究によれば、外傷性脳損傷の既往歴がある人々は、うつ病、薬物乱用、攻撃性、反社会的行動を示す可能性が高いことが分かっている。

また、認知能力が完全に回復しても、衝動的な行動や不適切な考えや行動を抑制する能力が不足する可能性が高いという。

刑務所収容者と脳損傷の高い相関関係

米疾病予防管理センター(CDC)の報告書は、これらの研究結果を裏付けている。

報告書によると、米国の刑務所および拘置所の収容者の25~87%が頭部外傷またはTBIを経験しているのに対し、一般人口ではその割合はわずか8.5%だった。

さらに注目すべき点は、収容者の中には中等度から重度の外傷性脳損傷や反復的な頭部外傷の既往歴を持つ人が含まれる可能性がはるかに高く、多くの場合、これらの損傷は初めての犯罪を犯す前に発生しているという事実だ。

研究チームは、このような脳損傷の既往歴のある人が必ずしも暴力的になるわけではないが、今回の研究結果は感情と意思決定を担当する領域をつなぐ経路に損傷が生じた場合、犯罪行為の引き金となる可能性があることを示唆していると説明した。

このような研究結果は法廷でも重要な影響を与えている。弁護士たちは、依頼人の犯罪行為の背景説明として脳損傷を挙げ、神経科学的証拠を活用するケースが増えている。

コロラド地方裁判所のモーリス・B・ホフマン裁判官は、「以前よりも法廷で神経科学的証拠が頻繁に見られるようになっており、今後もこの傾向は続くだろう」と述べている。

ある分析によれば、2005年から2015年までの間に米国の刑事被告人が神経科学を弁護の一部として使用した法律意見書は2,800件以上に上る。この種の証拠を提出した人々の約20%が再審理、判決の破棄、または法的書類提出期限の延長など、何らかの形で有利な結果を得ている。

引用:ゲッティイメージズ
引用:ゲッティイメージズ

今回の研究は医学と法律の両分野に実質的な影響を与える可能性がある。

フィリー博士は「医師はリスクのある患者をより的確に特定し、効果的な早期介入を提供できるようになる」と述べ、「裁判所は刑事責任を評価する際に脳損傷を考慮する必要が出てくるかもしれない」と強調した。

ハーバード大学医学部の神経学准教授で、この研究の筆頭著者であるイザヤ・クレテニク博士(Dr. Isaiah Kletenik)は、この研究が過失と自由意志に関する重要な倫理的問題を提起すると指摘した。

クレテニク博士は「犯罪行為を判断する際に脳損傷を考慮すべきか。科学的な因果関係は、法律における過失の概念とは異なる形で定義される」と述べた。

さらに「我々の研究結果はこうした議論に役立つ有用なデータを提供し、社会的行動が脳によってどのように媒介されるかについての知見を深めることに貢献する」と補足した。

今回の研究は「生まれつきの犯罪者」という概念ではなく、脳損傷が道徳的判断や行動制御に与える影響を科学的に解明することで、犯罪行為の神経学的基盤の理解を深めることに貢献すると期待されている。

有馬侑之介
arimay@kangnamtimesjp.com

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