
タイで8歳の少年が保護された。少年は言葉を発することができず、犬のように吠えるだけだった。麻薬中毒だった母親に長期間放置され、人間よりも犬と過ごす時間の方が長かったという。
香港の『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』の報道によると、この少年の母親と兄はともに麻薬中毒の状態で、少年は実質的に放置されていた。現地の保護当局は「保護当時、少年は人との意思疎通が困難で、言葉を話す代わりに吠えるだけだった」と説明している。
少年は小学校に一度通ったきり、その後2年間学校に行っていなかった。近隣住民はこの家族の行動に不安を感じ、自分の子どもたちが少年と関わらないよう距離を取っていた。人との接点を失った少年は、周囲の犬と絆を結び、次第に吠えるなど犬の行動を模倣するようになった。
タイの政治家であり社会運動家でもあるパウィナ・ホンサクン氏によると、少年の母親は国から教育補助金を受け取っていたにもかかわらず、少年を学校に通わせなかったという。現在少年は地域の児童保護施設に移され、治療と教育を受けている。パウィナ氏は「今後も継続的にこの子と連絡を取り合い、回復を支援していく」と語っている。
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