
「彼氏とのキスでドーピング?」衝撃の主張で潔白が証明されたフランス代表フェンサーの話題が波紋を広げている。
米『ニューヨーク・タイムズ』や英『ガーディアン』の7日付報道によると、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、フランスのフェンシング選手イサオラ・ティビュ(33)に対し、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が求めていた4年間の出場停止処分を却下した。
ティビュは昨年1月、WADAが禁止薬物に指定する筋肉増強剤「オスタリン」の陽性反応が出たことで、一時的に競技資格を停止された。だが彼女は、「当時交際していた米国代表のフェンシング選手レイス・インボーデンが、本人の知らぬ間にオスタリンを摂取しており、9日間にわたってキスを交わしたことで体内に薬物が入った」と主張。この「キス感染」理論が物議を醸した。
国際フェンシング連盟(FIE)のドーピング裁定機関はティビュに無罪を言い渡し、彼女はその後、無事にパリ五輪の舞台に立った。
だがWADAはこの結果に納得せずCASに控訴。CASは、ティビュの説明に科学的妥当性があると判断した。
CASの説明によれば、「当時の恋人が摂取していたオスタリンと同等量を服用した場合、唾液中に十分な残留物質が存在し、キスを通じて相手の体内に薬物が取り込まれる可能性が科学的に証明されている」とされる。また、彼が2024年1月5日からオスタリンを服用していた事実、そしてその後9日間にわたって接触があったことで、体内への「蓄積的な伝達」が起きたという見解も示された。
ティビュはフランスを代表するフェンシング選手の一人で、2021年の東京五輪では女子フルーレ団体戦で銀メダルを獲得。昨年のパリ五輪では同種目で5位に入っていた。
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