2年間で約82万円をだまし取る… 「異物の写真」も捏造
宅配料理に“異物が混入した”と虚偽通報し、300回以上返金を受けた20代大学生に実刑判決
13日、法曹界の情報筋は、ソウル北部地裁第7刑事単独法廷でキム・ソンボム裁判官が、11日に詐欺及び業務妨害などの容疑で起訴された20代男のA被告に対し、懲役1年を言い渡すとともに、ストーカー治療プログラム40時間の受講を命じたことを明かした。

判決によると、A被告は2023年1月16日、ある出前アプリで4万5,500ウォン(約4,854円)相当の料理を注文した後、「虫などの異物が混入していた」と主張し返金を要求した。これを皮切りに、2023年1月から2024年12月までの約2年間で計305回、総額770万ウォン(約82万0,885円)の食事代を不正に返金させた。
調査の結果、実際には料理から異物が検出されたことはなく、A被告は事前に用意した虫を使って捏造した写真を飲食店やカスタマーセンターに送りつけ、返金を“装って”得ていたことが判明した。
「また返金?」拒否されると脅迫めいたレビュー… ストーカー行為にまで発展
A被告の犯行は単なる返金詐欺にとどまらなかった。
昨年3月、ある飲食店が「過去に同様の理由で返金された」として返金を拒否すると、A被告は逆恨みして報復に出た。
出前アプリのレビュー欄に「店で虫がよく出るのになぜ私が責められるのか」と虚偽の事実を投稿。さらに当該店主に対し「1399(食品に関する不正受付)への通報、消費者紛争調停委員会への提訴、ネイトパン・DCインサイド・ボベドリーム(韓国の主要掲示板)に音声ファイルとメッセージ履歴を投稿する」と脅迫するメッセージを25回も送信した。
被害を受けた店主がブロックした後も、A被告は不安を煽るメッセージを15回も送り続け、これがストーカー容疑にもつながった。
「小規模事業者の苦痛を無視… 複数の取り調べ後も犯行をやめず」
裁判所はA被告の犯行に対して厳しい姿勢で臨んだ。「被告は衛生管理と評判に注意を払っている小規模自営業者を相手に意図的に虚偽の申告を繰り返し、返金を拒否した店には虚偽のレビューで業務を妨害し、脅迫やストーカー行為まで行った」と厳しく非難した。
さらに「犯行は長期間繰り返し行われ、捜査機関の取り調べを受けている最中でも意に介さず犯行を続けた」とし、「結局、逮捕されてようやく犯行が止んだ」と量刑理由を説明した。

先にソウル北部地検刑事2部(チェ・ジュンホ部長)は今年2月にA被告を逮捕、起訴していた。検察は判決直後、「A被告の悪質な犯行により小規模事業者が受けた経済的被害と精神的苦痛は大きい」とし、「今後も自営業者を狙った犯罪に断固として対処する」と強調した。
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