
重い荷物を抱えて外出しようとしていた高齢者の男性が、道の上でバランスを崩し、そのまま倒れてしまった。
その物音に反応したのは、男性と一緒に暮らす愛犬だった。
驚いたように家から飛び出した犬は、ためらうことなく走り寄り、倒れた飼い主の側を守った。
どうすればいいか分からず、慌てて周囲を走り回っていたその時、遠くから一台の車がゆっくりと近づいてきた。

すると犬は道路の真ん中に飛び出し、自分よりはるかに大きな車の前に立ちはだかり、吠え始めた。
小さな体で車の前に立ちふさがったのだ。
これに驚いた運転手はすぐに車を止め、車から降りて状況を確認し、倒れた高齢者の男性に近づき助けた。
男性が助かってようやく安堵したかのように、犬はゆっくりと尻尾を振りながら、静かに寄り添った。
言葉はなかったが、すべてを守り抜いた眼差しだった。
小さな体が見せた勇気、それは誰かを守りたいという「純粋な思い」から生まれたのだ。
言葉なしに命を救ったこの犬は、この日最も大きな愛を体現した存在だった。
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