ゲームセンターの景品として使われていた中国製のおもちゃの拳銃が、実際に殺傷能力を持つ危険な構造であることが判明し、警察庁が緊急回収に乗り出した。
この問題は、兵庫県内で行われた家宅捜索の過程で偶然発見されたもの。警察庁が精密な鑑定を行った結果、この「おもちゃ」は実弾の発射が可能で、「銃砲刀剣類所持等取締法」(銃刀法)で規制される実銃と同等の威力を持つことが確認された。

警察は、当該製品の所持が銃刀法違反にあたると判断し、全国的な回収に踏み切った。すでに所持している市民に対しては、最寄りの警察署に速やかに提出するよう呼びかけている。
問題の商品は「リアルギミック・ミニリボルバー」という名称で販売され、製品パッケージには「対象年齢12歳以上」と表示されていた。本体とともに8発のプラスチック弾がセットになっており、一見すると単なる子ども向け玩具に見える仕様だった。
しかし、調査によれば、この製品は国内の企業がゲームセンターの景品用として約1万5,800丁を輸入し、すでに全国31都府県の78店舗などを通じて広く流通している状況だ。
警察は16日時点で約450丁の回収にとどまっており、いまだ大半が市中に残っている可能性がある。想定以上の威力を持つこの「おもちゃ拳銃」は、重大な事故や犯罪への悪用リスクもはらんでおり、今後の回収状況と再発防止策が注目される。
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