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「いつか蘇るかもしれない」…オーストラリアで2人目の“冷凍人間”登場、世界で600人が“復活”の夢を見て眠る

織田昌大 アクセス  

引用:サザン・クライオニクス
引用:サザン・クライオニクス

オーストラリアで慢性疾患により死亡した女性の遺体が、本人の生前の希望に基づき極低温で保存されていたことが明らかになった。「いつか科学の力で蘇生できるかもしれない」という期待を抱き、冷凍保存を選んだという。こうした「未来の復活」を願う人々は世界に600人以上いるとされる。

現地時間23日、オーストラリアの公共放送『ABC』などの報道によると、今月4日、メルボルンで亡くなった女性の遺体は、ニューサウスウェールズ州の企業「サザン・クライオニクス」によってマイナス196度の液体窒素で保存された。

同社は、死後すぐに臓器や細胞の損傷を最小限に抑える処置を施した上で冷却することで、将来的に記憶や意識を保ったまま蘇生が可能になると主張している。

女性の死亡直後、社員らは遺体を氷水で覆って一次冷却を行い、さらに6時間かけて医師と専門設備を使い二次冷却を実施。その後、液体窒素で満たされたカプセルに収めて長期保存に入った。同社が人間の遺体を冷凍保存するのは、昨年5月の初事例に続き今回が2人目だという。

引用:MLB公式サイト・バイドゥ
引用:MLB公式サイト・バイドゥ

1960年代に米国で始まった人体冷凍保存は、物理学者ロバート・エッチンガー氏の著書『不死への展望』によって初めて概念化された。その後、1967年に心理学者ジェームズ・ベッドフォード氏が世界初の「冷凍人間」となった。

現在、この技術で最も知られているのは、アリゾナ州に本部を置く「アルコー延命財団」だ。ここでは「患者を冷凍保存し、未来に再び健康を取り戻して社会復帰させる」と掲げ、米メジャーリーグの名打者テッド・ウィリアムズ氏や、中国の作家ドゥ・ホン氏ら著名人の遺体も保存されている。

米国やロシア、中国、オーストラリアなどでは同様の企業が複数存在し、世界で600人超の遺体がすでに冷凍保存されている。加えて、今後の契約者も約3,000人に達するという。さらに、ペットの遺体を冷凍保存するサービスも展開中だ。

引用:アルコー延命財団
引用:アルコー延命財団

ただし、こうしたサービスに対しては科学的・倫理的な懸念も根強い。

サザン・クライオニクスなどの企業は、特殊な化学物質を用いて脳や細胞の損傷を防ぐとしているが、こうした技術が現在の科学で証明されていないのは事実だ。

メルボルン大学のシャフロン・ブライアント博士は、「人間の臓器は多種多様な細胞で構成されており、それらを同一の方法で凍結保存することは不可能」とし、「もし技術が確立していれば、臓器提供不足の解決にすでに活用されているはずだ」と指摘する。

また、仮に将来的に蘇生技術が確立した場合でも、その人物の法的地位や社会的統合など、新たな問題も浮上する。

一方で、いまだ科学的裏付けのない技術に「わずかな可能性」を期待させ、数千万円に及ぶ費用を請求するビジネスモデル自体への批判も少なくない。

科学と生命、そして「不死」を巡る議論は、今後も続きそうだ。

織田昌大
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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