
米ニューヨーク市マンハッタンの高層オフィスタワーで4人が銃殺された事件において、自殺した武装男はビル内のNFL(米ナショナル・フットボール・リーグ)本部を狙っていたが、誤って別のエレベーターに乗り込んだことが判明した。
ニューシスの報道によると、29日、捜査当局とエリック・アダムス市長は、ラスベガス出身のセイン・タムラ被告が28日夕、ミッドタウンのパークアベニューにある高層ビルのロビーで数人を射殺した後、NFL本部に向かう予定であったが、誤ったエレベーターホールに入り、目的の階にたどり着けなかったと述べた。
非番の警官を含む4人が殺害された。警察は、タムラ被告に精神疾患の既往があり、彼の遺体から発見されたメモにはNFLに対する強い怨恨と不満が記されていたことを明らかにした。
メモには、NFLの影響で慢性外傷性脳症(CTE)を発症したとする根拠のない訴えが綴られていた。タムラ被告は10年以上前、カリフォルニア州の高校でアメリカンフットボールをプレーしていた。
メモの中で、被告は自身がCTEに罹患していると主張していた。この退行性脳疾患は、アメリカンフットボールなどの接触スポーツにおける反復的な頭部外傷や脳震盪と関連している。
情報筋によると、タムラ被告はメモで自身の脳を死後の研究のために提供してほしいと要求していたという。
事件が発生したオフィスタワーには、NFL本部の他、世界的な投資会社ブラックストーンなどが入居している。ブラックストーン社は、従業員の1人が殺害されたことを確認している。
監視カメラの映像によると、被告は午後6時30分、二重に駐車された乗用車から降り、M4ライフルを携え、一般人が出入り可能なビルのプラザを横切った。そこで発砲を開始し、企業警備員として勤務していた非番の警官を射殺した後、逃走中の女性をも撃った。
その後、エレベーターホールに移動し、受付の警備員を撃ち、さらにロビーで別の男性を射殺した。
被告はエレベーターでビル管理会社が所在する33階に上がり、そこで1人を射殺。直後に自殺したとみられている。
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