
米デルタ航空の国際線旅客機が激しい乱気流に見舞われ、乗客と乗員25人が負傷し、機体は緊急着陸を余儀なくされる事態となった。
Newsisの報道によると、AP通信は1日、ユタ州ソルトレイクシティを出発しオランダ・アムステルダムに向かっていたデルタ航空のエアバスA330-900型機が、先月30日午後7時45分頃、ミネアポリス・セントポール国際空港に緊急着陸したと伝えた。
同機は飛行中に激しい乱気流に遭遇し、安全ベルトを着用していない乗客が宙に浮くほどの激しい揺れに見舞われた。
乗客のリアン・クレメント・ナッシュ氏はABCニュースの取材に対し、「乗客が天井にぶつかり床に落下、乗務員が使用するカートが天井まで跳ね上がり床に落下して人々が負傷した」と述べ、「こうした事態が何度も起きた」と証言した。
当日の搭乗者は乗客275人、乗員13人だった。
緊急着陸後、空港の消防隊と救急隊が現場に駆けつけ、25人を病院に搬送。検査と治療を受けたと航空会社側は明らかにした。
デルタ航空は、乗客らが31日夕方、ミネアポリス・セントポール国際空港発アムステルダム行きの特別便で旅程を継続できるよう手配したと説明している。
今年6月には、マイアミ発のアメリカン航空機がローリー・ダーラム国際空港に向かう途中で乱気流に遭遇し、乗客5人がノースカロライナ州の病院で検査を受けた。
今月初めにはドイツ南部で発生した激しい暴風雨の影響で、ライアンエアーの便が激しい乱気流に見舞われ、9人が負傷し緊急着陸を余儀なくされた。
この便はベルリンからミラノに向かう途中で、乗客179人と乗員6人が搭乗していた。
3月には、サンフランシスコ発シンガポール行きのユナイテッド航空機も激しい乱気流により5人が負傷したが、シンガポールには無事着陸した。
昨年5月21日には、ロンドン発シンガポール行きのシンガポール航空321便が激しい乱気流に遭遇し、乗客104人が緊急着陸したバンコクで治療を受けたが、男性乗客1人が死亡した。これは、数十年ぶりに主要航空会社で乱気流による死亡事故が発生した事例だった。
飛行中の乱気流による重傷事故は稀だが、科学者らは気候変動によってジェット気流が変化し、こうした事故が徐々に増加している可能性があると指摘している。
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