

サンディエゴ・パドレスがトレード期限日で動いた。左腕先発JP・シアーズ、そして右腕剛腕メイソン・ミラーを手に入れ、ワールドシリーズを狙える戦力を整えたと評価されている。獲得の代償はチーム最高の有望株、かつてメジャー全体でもトップ3とされたレオ・デフリース。AJ・プレラーGMはその逸材を差し出す決断を下し、補強戦争に勝利した。
新加入の二人にまず教え込まれたのは野球そのものではなく、ライバル関係だった。サンディエゴの選手たちは「うちはあのチーム(ドジャース)があまり好きじゃない」と率直に告げたという。
ミラーは移籍直後、ポッドキャスト『ファウルテリトリー』でその「洗礼」を明かした。「こんなに強いライバル関係は初めてだ」と話し、かつて所属したアスレチックスとマリナーズやアストロズの関係よりも、パドレスとドジャースの間には強烈な火花があると語った。

6月の直接対決では、その緊張感が爆発。内角球の応酬が続き、報復球と見られる死球でベンチが飛び出す事態となった。アンディ・パヘスが死球に激昂すれば、マイク・シルト監督が「何様だ」と一喝。最終戦ではフェルナンド・タティスJr.が死球を受け再び乱闘寸前に。直後、大谷翔平にも報復と見られる死球が飛んだ。
タティスJr.はオールスター前、「メジャーで最高の選手は?」と問われ、「青いチームの17番」とだけ答えた。ライバルの名をあえて口にしない、その一言に因縁が滲む。
ミラーは先発起用の可能性も取り沙汰されている。「どんな役割でもやる覚悟はできている。全員がポストシーズンに進むために準備することが大事だ」と力強く語った。

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