
FIFAランキング1位からの親善試合提案まで断った中国サッカーが、自信回復を狙いキム・サンシク率いるベトナムを選んだ。意外な選択に首をかしげる声が広がっている。
中国メディア『新浪体育』は8日、11月のAマッチ相手が当初予定のウズベキスタンからベトナムに変更される可能性が高いと報道。中国サッカー協会は最近、ベトナムサッカー協会と3年間の業務協約(MOU)を締結し、この流れでベトナムを招いて親善試合を行う見通しだという。

中国代表は6月の2026年北中米W杯アジア3次予選で敗退。世代交代を掲げて7月のE-1選手権に臨んだが、1勝2敗と振るわなかった。さらに9月のAマッチは編成せず、チーム再建に時間を割く異例の決断を下した。W杯出場失敗でイバンコビッチ監督を解任し、後任探しも難航。短期での監督選任は避け、代表活動自体を休止する道を選んだ。
そんな中、アルゼンチンからリオネル・メッシを率いた訪中計画が持ちかけられたが、中国協会はこれを拒否。実力差や準備不足を理由に挙げたが、ファンからは「メッシを恐れた」「逃げた」と批判が殺到した。結果、同等レベルの相手を模索し、ウズベキスタンからベトナムへと方向転換した。

キム・サンシク監督は昨年5月にベトナム代表を引き継ぎ、低迷していたチームを蘇らせた立役者。中国はベトナムに対して8勝1敗と大きく勝ち越しているが、唯一の黒星は2022年2月、パク・ハンソ監督時代に喫したものだ。今や第二の黄金期を迎えるベトナムに油断すれば、再び足元をすくわれかねない。
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