猛暑対策の必需品、アジア発の「日傘」が米国で人気急上昇
気候変動による世界的な猛暑が深刻化する中、これまでアジア圏で主流だった日傘が、米国をはじめとする欧米諸国でも夏の新たな必需品として注目を集めている。
『ニューヨーク・ポスト』は7月19日(現地時間)、米国内の記録的猛暑を受け、紫外線対策用の日傘の需要が急増していると報じた。

これまで日本、韓国、中国、タイなどアジア各国では日常的に使われてきた日傘だが、米国や欧州ではあまり馴染みのない文化だった。
しかし現在では、酷暑や紫外線から身を守る実用的なツールとして、その認識が欧米でも変わりつつある。
日傘の健康・美容効果、欧米でも関心高まる
マウントサイナイ病院皮膚科センターのヘレン・ヒ博士は「アジア圏では美容目的で紫外線対策を重視してきた」と述べ、「日傘はシミ、色素沈着、早期老化の予防に効果的なツールとして活用されてきた」と説明する。
実際、SNSでも日傘の効果を実感した利用者の声が広がっている。TikTokユーザーのアンバー・ファーガソン氏は「この暑さの中で私を溶かさないのは日傘だけ」という動画を投稿し、「日差しは雨のように避けるべき」という共感コメントが相次いだ。
適度な紫外線曝露はビタミンD合成に有益だが、過度な曝露は日焼け、皮膚損傷、早期老化だけでなく皮膚がんのリスクも高める。そのため健康保護の観点からも日傘の価値が再評価されている。日傘は熱の原因となる赤外線も遮断し、体感温度を下げる効果があるため、猛暑対策にも有効だ。
効果的な日傘の選び方と追加対策
ヒ博士は「密に織られた生地に紫外線遮断(UV)コーティングが施された製品が最適」とし、紫外線防御指数(UPF)50+の製品は紫外線の98%以上を遮断できると説明する。また「サイズが大きいほど保護範囲が広がる」とも指摘する。
色選びでは濃色のほうが日光吸収率が高く、紫外線と熱の遮断に効果的。鮮やかな色を好む場合は黒または銀色の反射コーティングが施された製品が推奨される。
ただし、日傘だけで完全な紫外線遮断は難しいため、専門家は日焼け止めの併用、UV加工衣類の着用、そして日差しが最も強い午前10時から午後3時の屋外活動を控えることを勧めている。
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