有病率は全国平均の2倍、治療中断も深刻

インド北東部メーガーラヤ州が、結婚前のヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査義務化を検討している。感染者およびエイズ患者の増加傾向を受け、州政府は関連法制定について協議を進めている。
地元紙「インディアン・エクスプレス」や「ザ・ヒンドゥー」によると、マゼル・アンパリーン・リンガドー保健・家族福祉相は7月25日(現地時間)の州政府会議で最新の有病率統計を示し、この構想を明らかにした。
インド国家エイズ対策機構(NACO)の統計では、2021年時点の15~49歳メーガーラヤ州住民のHIV有病率は0.42%で、インド全体の平均0.21%の約2倍に上る。2019年の推計では0.76%と、ミゾラム州(1.19%)に次ぎ全国3位だったが、その後やや減少した。
リンガドー氏によれば、州内では毎年およそ982件の新規HIV/エイズ症例が確認され、過去19年間で感染者数は221.1%増加。州全体の推定感染者数は約8,692人に上る。このうち人口約94万人のイースト・カシ・ヒルズ地区だけで3,432人が陽性と判明している。
課題は治療継続率の低さだ。HIV/エイズは適切な治療を続ければ致命的ではないが、患者の約15~17%が服薬を中止している。同地区では陽性者のうち抗レトロウイルス療法(ART)を受けているのは1,581人にとどまり、681人が治療を中止。この結果、少なくとも159人が死亡したとされる。
リンガドー氏は、治療中断の要因解明と迅速かつ集中的な介入、予防と早期発見、責任ある治療、大衆への啓発強化の必要性を強調。州内におけるHIVの主な感染経路が性的接触であると指摘し、結婚前HIV検査の義務化を導入する考えを示した。

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