募金発起人「緊急措置が遅れた、試験は中断されなかった」

米国で、弁護士試験中に心停止で倒れたアジア系女性の治療費を募るキャンペーンが進行中だ。
今月6日、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」に、シアトル出身のメリー・ジェーン・ジョンさんに関する記事が掲載された。GoFundMeは、世界最大の個人向け資金調達プラットフォームであり、年間資金調達総額は9億ドル(約1,331億6,793万359円)。18秒ごとに1件の資金調達キャンペーンが実施されている。
メリー・ジェーン・チョンさんの同級生で募金発起人のアネット・ロペスさんは、彼女は元ファッションデザイナーであり、妻であり、母であり、娘であり、姉であり、友人でもあると紹介し、「弁護士試験の準備を進めながらも、周囲を配慮することを忘れない、頼もしい存在だった。今度は私たちが彼女を助けたい」と語った。
アネット・ロペスさんは、今年フォーダム大学スクール・オブ・ローを卒業したメリー・ジェーン・ジョンさん、先月30日にニューヨーク州で弁護士試験を受験していた最中に突然倒れたとし、「周囲の受験者が彼女の異変に気付き、知らせたにも関わらず、試験は中断されなかった」と語った。
目撃者によれば、倒れたメリー・ジェーン・チョンさんは現場で心肺蘇生を受け、7〜10分後にようやく医療スタッフにより病院へ搬送された。別の目撃者は、昼食時間に入ってからようやく彼女が病院へ運ばれたとも証言している。
適切なタイミングでの病院搬送が行われなかったため、命の危険に晒される可能性もあったが、幸いにも治療を受けることができ、現在は意識が戻りつつあるとのことだ。
メリー・ジェーン・ジョンさんは11日、GoFundMeに「寄付してくださった皆様、祈ってくださった皆様に感謝します。幸いなことに順調に回復しており、本日午後には除細動器の埋め込み手術を受けました」と投稿し、「一部記憶喪失がありますが、回復への希望を持っています」と記した。
メリー・ジェーン・チョンさんの治療費募金は、13日午前6時30分の時点で679人が参加し、2万7,840ドル(約412万円)が集まった。
急性心停止のゴールデンタイムは4分、予防策は?
心停止はゴールデンタイムを逃すと命に関わる可能性が高いため、日頃から症状に注意を払うことが重要だ。
心停止後、脳への酸素供給が4分以上途絶えると脳損傷が始まり、6分経過で70〜80%の脳損傷、10分経過で脳死状態に陥る可能性がある。
心停止の前兆症状は通常、胸が締め付けられるような痛みや突然の胸部圧迫感として現れる。
痛みは胸の中央または左側に現れ、顎や肩、腕(特に左腕)に広がりやすいとされている。また、突然の呼吸困難や息切れ、動悸、頭がぼんやりする、めまい、ふらつき、極度の脱力感、激しい疲労感、冷や汗、顔や手足の蒼白、嘔吐、吐き気などの消化器症状も現れることがある。
心停止の症状には男女差があることも明らかになっている。
女性は主に息切れが顕著な前兆症状として現れる。また、痛みよりも疲労感や吐き気、めまいなどの非典型的な症状が見られる傾向にある。男性は主に胸痛が一般的な前兆症状であり、その締め付けられるような痛みは左胸に集中することが多い。
心停止を予防するには、何よりも日頃から健康的な生活習慣を維持することが重要だ。家族に心血管疾患の既往歴がある場合は、定期的な健康診断を通じて心血管系疾患のリスク因子を早期発見し、管理する必要がある。また、過度なストレスによる喫煙や飲酒を控え、規則正しい運動とバランスの取れた食事を心がけることが求められる。
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