出産から7年…植物状態の娘をめぐる両親の訴え
出産後7年間、植物状態で過ごす娘を救ってほしいという両親の訴えが報じられた。
19日、テレビ番組で紹介されたA氏の証言は、多くの視聴者の胸を締めつけた。

A氏の娘は大学を卒業後、8年間交際した恋人と結婚し、26歳で第1子を出産した。しかし、その喜びは長くは続かなかった。
A氏によると、出産当日の未明、娘婿から「妻の容体が危険だ。今夜が正念場だ」との緊急連絡を受けたという。
帝王切開で出産した娘は呼吸困難や胸の苦しみを訴えたが、医療スタッフの対応は「水を多く飲み、少し運動を」といった指示にとどまり、適切な診療はなされなかった。
一晩中見守っていた婿の目前で娘はチアノーゼを呈し、意識を失った。搬送先の大病院で治療を受けたものの、すでに脳損傷が進行しており、植物状態に陥った。
医療記録と証拠映像削除…7年続く法廷闘争
A氏の家族は事件直後、病院側に防犯カメラ映像と医療記録の提出を求めたが、病院は「当院に過失はない。映像は削除された」と回答した。
A氏は、事件発生からわずか5日後に映像が削除され、医療記録も病院側に有利な内容のみが残されたと主張している。
その後始まった裁判はコロナ禍も重なり、病院との7年に及ぶ法廷闘争へと発展した。この間、母を失った孫も心に深い傷を負った。
孫は祖母を実の母のように慕っていたが、成長するにつれて祖母が母ではないことに気づいた。そして「事故に遭うと母親のようになる」と語り、祖母が外出することさえ恐れる様子を見せたという。
A氏夫妻は孫を育てるため、タクシー運転手や警備員、飲食店の厨房補助、チラシ配布など複数の仕事を掛け持ちし、生計を維持せざるを得なかった。
A氏は「病院を訪れた際、植物状態の娘が息子の声を聞いて涙を流した」と振り返っており、その場に居合わせた人々の胸に深い衝撃を与えた。

月32万〜43万円に上る治療費と介護費用のため、婿は1日20時間近く働き詰めとなり、結局は借金を抱える事態に陥った。さらに医療訴訟で敗訴し、全ての訴訟費用まで負担することになったという。
A氏は「訴訟費用には孫まで含まれている。娘への責任追及は諦めたが、6歳の孫にまで負担を背負わせることは到底受け入れられない」と憤りを示した。
法律の専門家は「訴訟費用は原則として訴訟当事者のみが負担すべきだ」と説明し、「娘も原告に含まれ、孫も母親の受傷による精神的損害を理由に原告として加わっている可能性がある」と指摘した。
心理学の専門家は「家族全員が燃え尽き症候群に陥っているようだ」と述べた上で、「裁判で敗訴したからといって病院に過失がなかったと断定できるのか疑問だ。このようなケースでは国家や社会の支援が必要だ」と訴えた。
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