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2025年08月26日火曜日
ホームトレンド「過去の趣が失われる」…デンマーク、400年続いた郵便配達サービス終了へ

「過去の趣が失われる」…デンマーク、400年続いた郵便配達サービス終了へ

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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デンマークが来年から郵便配達を中止する。デジタル化の進展により郵便物の利用量が急減し、ヨーロッパ全域で同様の措置が広がる可能性が指摘されている。

21日(現地時間)『BBC』によると、デンマーク国営郵便局「ポストノルド」は、今年末をもって400年続いた郵便配達サービスを終了する。構造改革も実施し、赤字部門で2,200人を削減する一方、収益性の高い小包事業を拡大して700人を新規雇用する計画だ。

ポストノルドがこの決断を下した理由は、郵便物の量が大幅に減少したためだ。デンマークの年間郵便物処理量は2000年の14億通から昨年は1億1,000万通に減少。実に92%も急減している。これに伴い、郵便仕分け施設は1カ所のみとなり、全国に設置されていた赤い郵便ポスト1,500個も撤去された。

デンマークはヨーロッパでもデジタル化が進んでいる国の一つだ。経済協力開発機構(OECD)が2023年に実施したデジタル政府評価で、デンマークは韓国に次いで2位を獲得。2019年の4位から4年で2段階上昇した。

郵便市場の民間開放と免税制度の廃止により切手の価格が急騰したことも、郵便利用の減少に拍車をかけた。現在デンマークで手紙1通を送るには29デンマーク・クローネ(約670円)を支払う必要がある。今後は民間配送業者が郵便配達を担うことになる。

郵便物の減少は世界的な傾向だ。コンサルティング会社マッキンゼーによると、2010年代後半にドイツとスイスの郵便物処理量は2000年代初頭より40%減少し、アメリカは46%、イギリスなどは50〜70%減少した。

これに関連し、ドイツポストは今年8,000人の人員削減を発表。500年の歴史を持つイギリスのロイヤルメールもコスト削減のため配達回数の縮小を決定した。

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