
台湾の繁華街で日本人2人が中国国旗を振りながら「台湾は中国の領土だ」と叫び、国外追放処分を受けた。
台湾メディア『民視新聞網』などによると、ユーチューバーの「八炯(ハチケイ)」さんは24日、台北市の代表的な繁華街・西門町(シーメンディン)で撮影した映像を公開した。ハチケイさんは中台関係を中心に政治・時事問題を取り上げ、登録者数123万人を抱える人気ユーチューバーである。
映像には、日本人2人が西門町の入り口で大型の中国国旗(五星紅旗)を掲げ、「今日は中国の台湾に来た。我々は日本から来て中国が好きだ。台湾は当然中国の一部だ」と発言する様子が映っている。西門町は地元住民や外国人観光客が多く訪れる繁華街として知られる。
ハチケイさんはまた、SNSを通じて2人の身元や背景を特定し公開した。日本人のうち1人は台湾人の配偶者を持ち、自身のユーチューブチャンネルでも「祖国統一」や「武力による台湾統一」といった発言を繰り返していた。もう1人については、両親の一方が中国出身である可能性が高く、日本国籍を選択したとみられている。ハチケイさんは「中国語の発音に違和感がなかった」と説明した。

一方で、台湾移民署は事実関係を確認した上で直ちに調査に着手し、映像に登場した2人がいずれもビザなしで入国した日本国籍者であることを突き止めた。
移民署は、彼らの行為が「出入国及び移民法」第18条第1項第13号に規定される「国家の利益、公共の安全や秩序を害するおそれのある行為」に該当すると判断し、強制送還および入国禁止の処分を科した。
移民署によると、日本人のTは入国当日に映像を撮影した後すぐに出国しており、すでに台湾への入国禁止対象者に登録されたという。もう1人のSは映像の撮影を認め、25日午前に強制送還され、今後の入国禁止対象者として登録された。
移民署は声明で「外国人が台湾で国家利益や公共秩序を害する行為を行うことは決して容認しない。そうした場合には、国家の安全と社会秩序を守るため、厳正に対応する」と強調した。
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