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2025年08月29日金曜日
ホームトレンドこの男を「消す」のは絶対NG!?…米企業、トランプの恫喝に“完全屈服”…広告にまで波及した前代未聞の政治バトル

この男を「消す」のは絶対NG!?…米企業、トランプの恫喝に“完全屈服”…広告にまで波及した前代未聞の政治バトル

「その男を消すな」 トランプ大統領の圧力に屈服…企業は「恐怖」に直面

政治対立で顧客離反の危機 

企業は「WOKEリスク」に直面

引用:X(旧:Twitter)
引用:X(旧:Twitter)

米ファミリーレストラン大手クラッカーバレルは、創業以来50年以上で初めて検討していたブランドロゴ刷新を中止した。新ロゴの発表直後に保守派を中心とする反発が起こり、ドナルド・トランプ大統領も批判に加わったことで論争が拡大したためである。

米ジーンズブランドのアメリカンイーグルを巡る最近の論争と同様、この問題も「ウォーク(覚醒)問題」と密接に関連している。

分断する消費市場…クラッカーバレルに打撃

クラッカーバレルは26日(現地時間)、声明を発表し、新ロゴ計画の撤回を表明した。「新ロゴは去り、『オールドタイマー』が戻ってきた」と述べ、発表から1週間での白紙化となった。旧ロゴには作業着姿の男性が椅子に座り、樽に寄りかかる姿が描かれており、この人物が「オールドタイマー」を象徴していた。

19日には、男性キャラクターと「オールドカントリーストア」の文言を削除し、黄色の背景にブランド名のみを残した新ロゴが発表された。発表直後から「DEI(多様性・公平性・包摂性)政策の影響ではないか」との疑念が保守系インフルエンサーを中心に広がり、SNS上で反発が急速に拡大した。

引用:X(旧:Twitter)
引用:X(旧:Twitter)

作業着姿の男性が過度に伝統的と受け止められ、意図的に排除されたのではないかとの論争が起きた。新ロゴ発表当日、同社株価は取引中に14%以上下落した。

トランプ大統領の批判が決定打となり、同日朝に「クラッカーバレルは旧ロゴに戻るべきだ。顧客の反応に従い、過ちを認めて経営を改善すべきだ」と述べた。

クラッカーバレルは直ちにホワイトハウスに旧ロゴ復帰の方針を伝えた。大統領はその後SNSで「ファンは喜んでいる。今後の幸運を祈る」「利益を上げ、何よりも顧客を満足させよ」と付け加えた。その後、同社株価は時間外取引で約7%上昇した。

1日、米ジーンズブランドのアメリカンイーグルは進歩派からの激しい反発に直面した。女優シドニー・スウィーニーを起用した広告で「遺伝子(genes)は親から子へ受け継がれ、髪の色、性格、目の色までが決定される。私のジーンズ(jeans)は青色だ」との表現を用いたことが発端となった。

広告は「Sydney Sweeney has great ‘genes’」とのナレーションで締めくくられた。ジーンズ(jeans)と遺伝子(genes)の発音を掛け合わせたこの表現が、優生学や白人至上主義を連想させるとして批判を招いた。

競合のギャップ(Gap)は直ちにフィリピン・韓国・スイス・米国出身のメンバーによる多国籍ガールズグループ『キャッツアイ』を起用した広告キャンペーンを展開し、「Better In Denim」のキャッチフレーズでアメリカンイーグルを狙った。この戦略はK-POPファンを取り込み消費者層を効果的に引き付けた。

引用:X(旧:Twitter)
引用:X(旧:Twitter)

忠実な顧客を失えば成長は途絶 バドライトが示した教訓

問題は単なるロゴや広告表現の論争を超え、企業が「WOKE問題」に関して困難な立場に置かれていることを示している。進歩的消費者は「覚醒していない」ことを批判し、保守的消費者は「過度な覚醒」に反発する。企業は双方から同時に圧力を受ける複雑な状況に直面している。

このため企業にとっては、製品の競争力だけでなく、主要な消費層を正確に把握し、ブランドのアイデンティティを維持しながら変化を加える戦略が重要となった。

ヘリテージ財団のリチャード・スターン研究員は「バドライトの事例が示すように、忠実な顧客とブランドのアイデンティティを捨てては成長は望めない」と、「クラッカーバレルの騒動もそれを改めて裏付けた」と指摘した。

引用:Instagram
引用:Instagram

バドライトは20年以上にわたり米国ビール市場で首位を維持してきたが、2023年にトランスジェンダーのインフルエンサーとのコラボレーションを巡る論争後、ボイコットが広がり3位に転落した。発端はインフルエンサーが自身のために特別製作された缶を公開したことだった。主要消費層の中高年男性が離反し、ブランドは回復困難な打撃を受けた。

クラッカーバレルとアメリカンイーグルの騒動も「分断の時代に企業はいかに生き残るか」という問いを突き付けた。政治・社会的対立が消費市場に波及するなか、企業はかつてない重圧の下で戦略を迫られている。

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