
最近、英語圏のZ世代を中心に「シュレッキング(Shrekking)」という新たな恋愛トレンドが広がっている。
8日付の「ニューヨーク・ポスト」や「USAトゥデイ」などの海外メディアによると、アメリカや英語圏のSNS(TikTokとX(旧Twitter)を中心)では、「シュレッキング」に関連するミームとハッシュタグが急速に拡散しているそうだ。
「シュレッキング」は、2001年公開のアニメ映画『シュレック(Shrek)』に由来している。映画では、美しいフィオナ姫がぶさいくな外見のシュレックと恋に落ちる設定になっているように、実際の恋愛においても、外見があまり魅力的でないとされる相手と意図的に交際し、その相手が外見のコンプレックスを補うかのようにより良く接してくれるだろうという期待から生まれる現象を指している。

実際、一部のZ世代は「イケメンは不安だ。魅力的でない人の方が誠実に接してくれそうだ」「平凡な外見の人なら自分を大切にしてくれると信じたが、結局傷つくだけだった」といった経験を語っており、この過程で「シュレックされた(Getting Shrekked)」という新語まで生まれた。
しかし、現実は期待とは異なり、むしろ失望や傷つきが少なくないという報告もある。あるTikTokユーザーは「魅力を感じない相手にチャンスを与え、より良く扱ってくれると信じがちだ。しかし結局、トロールのような存在に傷つけられる」と嘆き、大きな共感を呼んでいる。
「平凡な外見=より良い扱い?」…誤解がもたらす逆効果

専門家はこれを、外見に対する社会的固定観念と感情的期待値の衝突の結果と分析している。
恋愛コーチであり『ブレイクアップ・ブートキャンプ:心を変える科学(英語原題訳)』の著者エイミー・チャン氏は、デートにおいて外見の優先順位を下げること自体は悪くないものの、単に外見が平凡だという理由だけで相手がより良く接してくれると期待する瞬間、逆効果を招く可能性があると警告している。
また、関係性の専門家エマ・ハートン氏は、実際の性格と外見は全く関連がないと述べ、もし相手が自分を酷く扱うなら、外見に関わらず相手に魅力を感じるはずがないと強調した。さらに、真の関係は共通の目標や価値観から生まれ、これらは外見や社会的基準よりもはるかに深い絆を築くと助言しています。
チャン氏は、「シュレッキング」という用語の登場は、人々が現代の恋愛にどれだけ疲弊しているかを示す一例であり、複雑化する恋愛文化の中で、私たちの感情や状況を表現するために新たな言葉が次々と生み出されていると述べた。
また、誰かが「シュレックされた」と言った場合、それを単なる失敗とみなすのではなく、外見に関係なく譲れない核心的価値を明確にする機会と捉えるべきだとも述べ、外見的魅力は恋愛の一要素に過ぎず、良い扱いを保証する取引材料になってはならないと付け加えた。
元お笑い芸人が手がけた「ぶさいくレンタルサービス」で大ヒット
一方、日本では昨年、「シュレッキング」論争に通じる異色のビジネスが話題を呼んだ。香港の「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」によると、元お笑い芸人の篠原塁氏(34)がX(旧Twitter)を通じて「ぶさいくレンタルサービス」を開始し、成功を収めたそうだ。
彼は、目立ちたい平凡な男性の隣に立ったり、イケメンとのデートの予行演習をしたい女性たちの練習相手になるとしてサービスを宣伝した。また、ファッションブランドとコラボレーションし、「ぶさいくモデル」としても活動している。
レンタル料金は2~3時間で1万円、食事代と交通費は顧客負担だ。当時の関連投稿には「いいね」が3万6,000件付き、サービス依頼は30件を超えた。
篠原氏は「ブサメン(自分)をからかっても構いませんが、あまりひどくしないでほしい」と冗談交じりに注意を促した。
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