女性患者に薬物を投与し性的暴行、さらにその様子を撮影 米国のアジア系医師に免許取消と懲役24年

米ニューヨーク市クイーンズの病院で、知人や患者に薬物を投与して性的暴行を繰り返していた消化器病専門医に対し、裁判所は28日(現地時間)、懲役24年の実刑判決を言い渡した。
『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』や『CBS』などによると、クイーンズ裁判所で裁判を担当した判事は、ズ・アレン・チョン被告(34)に対し、ニューヨークでの医師免許取消に加え、出所後10年間の保護観察と性犯罪者登録を命じた。
判事は「確認されている被害者は8人にとどまるが、実際には自分が被害を受けたと気付いていない女性がさらに多く存在すると考えられる」と指摘した。
事件が発覚したのは3年前。チョン被告の当時の交際相手が、自身や他の女性に対する性的暴行の様子が映った映像を発見し、警察に通報したことがきっかけだった。
現地警察は2022年12月、チョン被告を逮捕し、自宅を捜索した際に、意識を失った女性が性的に虐待される様子を収めた数十件の映像が保存されたデジタル記録媒体を押収した。
検察によると、チョン被告のアパートからは強力な麻酔薬が入った茶色の瓶も見つかっており、同様の瓶が暴行の映像にも映り込んでいたという。
押収された映像の一つには、2021年にチョン被告が勤務していたメディカルセンターで、意識を失った37歳の患者に触れる場面が記録されていた。また、当時19歳だった女性は、チョン被告が不要な直腸検査を行った後、静脈注射で「正体不明の物質」を投与し、性的暴行を受けたと証言している。

事件発覚後、当該メディカルセンターは2022年12月にチョン被告を解雇した。
チョン被告は法廷で「私が犯した極めて悪質な犯罪について被害者に謝罪します」と述べ、「残りの人生を彼女たちへの償いに捧げます」と語った。
懲役24年の刑は、チョン被告が昨年6月、性的暴行4件と第1級性的虐待3件の罪を認め、裁判所と減刑交渉を行った結果決定したものである。
判明している被害者のうち4人は、裁判所に減刑交渉を拒否するよう求める書簡を提出していたが、裁判官は最終的にチョン被告の要請を受け入れた。
判事は判決理由について「正式な裁判となれば、チョン被告がさらに長期間収監される可能性が高かった」としつつ、「被害者が法廷で再び性犯罪を追体験するような苦痛を避けるため、今回の判断が合理的だと考える」と説明した。
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