
腰が完全に曲がった状態でも学業に励む姿で多くの人々を感動させた中国の「折りたたみ少年」が、ついに体を真っ直ぐに伸ばせるようになった。
香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』や中国紙『チャイナデイリー』などによると、中国で「折りたたみ少年」と呼ばれてきたチャン・イェンチェン氏が、25日の生中継で手術後に真っ直ぐ立って歩く姿を披露した。

2004年、中国山東省(さんとうしょう)の小さな村で生まれたチャン・イェンチェン氏は、先天性の筋疾患により小学生の頃から首が徐々に後方へ反り、上半身がアルファベットの「Z」の形に折れ曲がっていった。脊椎が著しく後方に曲がったことで胸部と腹腔が極端に狭まり、内臓も圧迫されて健康状態は悪化し始めた。

一部の医療専門家は「13歳まで生きられないだろう」と予測していたが、チャン氏は無事に成人へと成長した。不自由な体でありながらも、周囲の支援と前向きな姿勢で学業に励む姿が紹介され、多くの人々に感動を与えた。
高校を卒業したチャン氏はヨガマットに横たわったまま大学入試を受験し、2022年に地元の大学への合格を勝ち取った。数学の成績はクラスでトップだったという。
しかし、大学入学後は症状がさらに悪化した。2023年5月には、体が折れ曲がった影響で呼吸困難に陥った。北京の大病院は、稀少な先天性筋ジストロフィーに起因する脊椎後弯変形と診断。前例のない症例であったため、確立された治療法は存在せず、治療は難航した。

2024年、脊椎奇形治療の権威、リャン・イージェン教授のもとで治療が始まり、チャン・イェンチェン氏の回復への道が開かれた。梁教授は腰椎、頚椎、股関節、胸部の骨を切除して再配置するという4回に及ぶ超難度の手術を今年6月までに実施。約180度に曲がっていた脊椎はついに真っ直ぐになり、チャン氏は毎日6時間のリハビリを続けた結果、歩行できるまでに回復した。
手術によって心臓と肺の機能も正常に戻った。リャン教授は「一般の人をはるかに上回る忍耐を示した」と称賛し、リハビリに耐え抜いたチャン氏に拍手を送った。
チャン氏は「生まれ変わったような気分だ」と喜び、「普通の人間になれたことで、これまでの苦痛がすべて価値あるものに感じられる」と語った。さらに来月には大学に復帰し、大学院への進学も目指す意向を示した。
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