
エジプトで約3,000年前の古代エジプトのファラオの金のブレスレットが紛失し、当局が調査に乗り出した。17日(現地時間)、米CNNなどの報道によると、エジプト観光・考古省は前日、カイロのタハリール広場に位置するエジプト博物館の修復研究所から3,000年前のものと推定されるファラオの金のブレスレットが姿を消したと発表した。同省はブレスレット紛失後、直ちに事件を警察に引き継ぎ、現在保管中の全遺物リストを精査するための専門委員会を設置した。
ブレスレットの紛失は、来月イタリア・ローマで開催予定の「ファラオの宝物展」に向け、数十点の遺物をローマへ輸送する準備中に判明したという。このブレスレットはラピスラズリで装飾が施され、エジプトのタニスでファラオ・プスセンネス1世の墓から発掘されたもので、またエジプトの第3中間期(紀元前1076年~723年)の紀元前993年~984年に在位したファラオ・アメンエムオペトの所有物であったと英BBCが伝えている。エジプト博物館は中東最古の考古学博物館であり、アメンエムオペトの金箔が施された木製マスクを含む17万点以上の遺物を所蔵している。
エジプト政府は即座に密輸対策に着手した。エジプト観光・考古省はFacebookでの声明において、全国の空港、港、陸路国境の検問所にブレスレットの画像を配布したと明かした。ただし、捜査の円滑な進行のため、ブレスレット紛失の発表を意図的に遅らせたとしているものの、ブレスレットが最後に確認された時期については言及を避けた。
専門家らは、盗まれたブレスレットが密輸される可能性を指摘している。ケンブリッジ大学の法医学考古学者、クリストス・ツィロギアニス氏は「(ブレスレットは)盗まれて密輸されたものだろう。近いうちにオンラインプラットフォームやディーラーのギャラリー、あるいはオークションに出回る可能性がある」と述べた。なお、販売時の発覚リスクを避けるため、ブレスレットを溶かして金塊にするか、個人が秘蔵して公開しない可能性もあると付け加えた。
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