明確な焼け跡、燻製などの死後処理
古くから多様なミイラ化技法が使用されているアジアがエジプトより数千年早く、死亡者をミイラにして保存していたという研究結果が出た。今回の研究は、人類史上最も古いミイラの証拠と評価される。15日(現地時間)、オーストラリア国立大学(ANU)、北京大学、東京大学など国際共同研究チームは「古代アジアにおいて1万4000余年前から遺体に煙を当て、水分を除去する方法でミイラ化(mummification)したことを発見した」と国際学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表した。研究チームは、人類史上最も古いミイラの発見に意義があると述べた。

ANUのホン・シャオチュン教授をはじめとする研究チームは、2017~2025年に中国南部、ベトナム北部、インドネシアのスマトラ島の11の考古遺跡で発見された54体の遺骨を分析した。いずれも座位で足を組んだ姿勢であった。X線回折(XRD)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)など特殊な科学機器を用い、骨内構造と化学的変化を調査した。
分析の結果、約84%で長時間の低温曝露により自然に乾燥・保存された痕跡が確認された。一部の変色した骨は、直接炎に焼かれたのではなく、煙で焦げたと推定される。研究チームはこれを根拠に、古代アジア人が遺体をうずくまった姿勢で火の上に置き、数ヶ月間低温燻製により乾燥・保存した後、簡易な住居や自然の洞窟内の墓に安置した可能性が高いと説明した。
特に、今回研究チームが発見したミイラの中で最も古い遺骨は、ベトナム北部ホアビン省ハンムア洞窟で発見された成人男性であり、放射性炭素年代測定の結果、約1万4027年前から1万3798年前に埋葬されたと推定される。該当ミイラはオーストラリアのパプア先住民集団に類似した頭蓋骨の形状を有し、右腕の骨に顕著な焼け跡が確認され、燻製などの死後処理が施されたようであった。同じ場所で発見された鎖骨も、約1万4000年前のものであることが確認された。
1万4000余年前から遺体の燻製、ミイラ化の痕跡が確認される
人類は、世界各地で古くから遺体の腐敗を防ぐために、水分を除去する様々なミイラ化技法を用いてきた。熱、燻製、塩、凍結乾燥、防腐処理などが代表的である。これまで、ミイラ化が最も古いとされる場所は、約7000年前のチリ北部チンチョーロ文化圏と、約4500年前の古代エジプトであった。

今回の研究は、遺体を人工的に保存する葬儀習慣が東西を問わず古くから存在していたことを示す。特に、東南アジアと南中国地域において受け継がれてきた1万年以上のミイラ化の伝統を確認する、重要な成果と評価される。研究を主導したANUのホン教授は「この伝統は非常に古くから続いている、人間本来の本能を示している」と述べ、「家族や愛する者が、いかなる形であれ永遠に共に在ることを望む気持ちが反映されている」と語った。
燻製によってミイラを作る葬儀風習は、パプアニューギニアでも確認される。ホン博士は「驚くべきことに、このような慣習は旧石器時代後期から現代に至るまで、広大な地域にわたって続いている」と述べた。研究チームは、煙によって乾燥させミイラを作るのが、湿潤な環境下で遺体を保存する最良の選択であったと解釈した。
ビルケント大学のエンマ・ベイサル教授は「今回の研究は、遺体処理の方法を科学的に分析し、今日ではほとんど見られない葬儀行為を明らかにした点で印象的だ」と評価し、「当時の来世に対する複雑な信仰が反映されている可能性がある」と述べた。研究チームは、今後アジアの他の地域においても、類似の燻製ミイラ化の痕跡を発見する研究が継続されることを期待している。これらの発見は、人類が死亡者を保存しようとする葬儀習慣を数千年にわたって続けてきたという、重要な手がかりとなる見込みである。
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