
地球と似た軌道で太陽を回る小惑星が新たに発見された。この小惑星は地球の周辺に「準月」と呼ばれる地位で約60年間とどまると推定されている。準月とは、月に準じる存在とされる小惑星を指す。
スペイン・マドリードにあるコンプルテンセ大学の天文学者らは、8月に小惑星「2025PN7」を発見した。19日(現地時間)のニューヨーク・タイムズによると、研究チームはこの小惑星が今後60年間、地球近くを回り続けると予測している。
地球の近くに存在する小惑星の中には、火星と木星の間にある小惑星帯からやって来たものや、隕石衝突によって飛び散った月の破片も含まれている。ただし、2025PN7の起源はまだ分かっていない。
天文学者らが確信しているのは、2025PN7があくまで「一時的な訪問者」だということである。およそ60年後には別の宇宙空間へと移動すると見込まれている。
地球の周辺にはいくつかの「ミニムーン」や「準月」が存在している。ミニムーンは月のように地球の周囲を直接回る小天体で、数か月間地球のそばに滞在することが多い。例えば、ミニムーン「2024PT5」は昨年9月に地球周辺を回り始めたが、11月には一時的な衛星の地位を離れた。
これに対し準月は、地球そのものを回るのではなく、太陽を中心に地球と似た軌道をたどる小惑星であり、数十年から数千年にわたって地球近くで太陽を回り続ける特徴を持つ。天文学者らは、準月が長期間地球の近くにとどまるため、科学的な研究任務に有用な対象になるとみている。
シミュレーションによると、2025PN7は1960年代からすでに地球の近くに存在していたと推定される。そして60年後の2083年には、地球から離れて準月の地位を失うと予測されている。
2025PN7は、これまでに確認された準月の中でも最も小さい部類に入るとみられているが、その正確な大きさはまだ確認されていない。小さくて光度が低いため観測が難しいからだ。研究チームは今後、太陽光の反射をもとに大きさを推定する予定だという。
天文学者らは「2025PN7が地球近くに長期間とどまることは歓迎すべきことだ。太陽系の進化を解き明かす手がかりになると期待している」と話している。
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