
2023年に「すしテロ」として社会問題化した迷惑行為が、再び波紋を広げている。対策を講じてきた回転寿司チェーン各社も、被害の連鎖を止められずにいるという。最近では、女子高校生が回転レーン上の寿司を素手で触ったり、醤油ボトルに口をつけたりする映像が拡散し、非難が相次いだ。
15日付の日本経済新聞などによると、大手回転寿司チェーン「くら寿司」は前日、山形南館店で客が回転レーン上の寿司に触れるなどの迷惑行為を行ったことが確認されたという。
今月11日には、同店を訪れた女子生徒が寿司の皿のふたを開け、寿司を素手で数回触った後にそのまま閉じる様子を撮影した動画がXなどのSNSに投稿され、批判が殺到した。
この行為により、ほかの客が既に触られた寿司を口にしてしまう可能性もあったという。
さらに、共用の醤油ボトルに直接口をつけたり、ボトルの注ぎ口を舐める場面も映像に収められていた。
くら寿司は事態を把握後、回転レーン上の寿司をすべて廃棄及び交換し、醤油やわさびなど共用調味料も消毒したと説明している。
また、問題の女子生徒の身元はすでに特定されており、警察と連携して対応を進める方針だという。
くら寿司は「決して許されない行為であり、厳正に対処する」としたうえで、「今後も店内設備の消毒など、安全確保に努めていく」とコメントした。
「すしテロ」は社会問題に…業界は厳しい姿勢で対応
こうした迷惑行為は、2023年頃から模倣犯罪のように拡散し、社会問題に発展している。
くら寿司は同年、迷惑行為防止策として、寿司カバーの異常な開閉を検知するAIカメラを全店舗に導入した。客が入れ替わるたびに調味料を交換するなど、衛生管理を強化してきた。
回転寿司チェーン各社も強硬な姿勢を崩していない。くら寿司は今年3月、東京都内の店舗で使用済みのコンドームを皿返却口に置いた男子高校生(16)を業務妨害の疑いで告訴し、同生徒は6月に検察へ送致された。

回転寿司チェーン店「スシロー」も2023年、男子高校生が醤油ボトルの注ぎ口を舐め、寿司に唾液をつける様子を撮影した動画が拡散した件について、約6,700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。動画の拡散後、店舗の売上は急減し、親会社の株価も約5%下落したという。
その後、スシローは「男子学生側が責任を認め、納得のいく内容で和解が成立した」として訴えを取り下げた。
一方、寿司チェーン店「すし銚子丸」は、客がガリの容器に吸い殻を入れる行為があったため、タッチパネルや店員注文式に切り替えた。
米ワシントン・ポストは「他人の食べ物を触ったり唾をつけたりする行為は、回転寿司文化を大切にする人々に衝撃を与え、業界にも深刻な打撃を与えている」と報じた。
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