「誰が来るか気になって」死んだふりで葬儀を演出、火葬直前に目覚めた70代男性…インドで騒然
インドの退役軍人、自ら建設した火葬場の開場イベントとして「偽の葬儀」を実施

インドで、男性が自らの葬儀を演出し、火葬直前に目を覚ますという出来事が起き、村人たちを驚かせた。
現地紙「インディアン・エクスプレス」などによると、事件が発生したのはインド東部ビハール州コンチ村である。退役軍人のモーハン・ラール氏(74)は、自身が建設した新しい火葬場で、自らの葬儀を生前に催した。
葬儀では、ラール氏が伝統的な白い経帷子を身にまとい、棺の上に横たわっていた。村人たちは彼が本当に亡くなったと信じ、多くの人々が弔問に訪れたという。葬列も慣習に沿って進められ、参列者は冥福を祈った。
しかし、葬列が火葬場に到着すると、思いがけない事態が起きた。ラール氏が突然上体を起こし、葬儀が演出であったことを明かしたのだ。
ラール氏はその理由について「誰が本当に自分を思ってくれているのか、確かめたかった」と説明した。

背景には地域社会への奉仕の思いもあったという。ラール氏は、雨季に火葬を行うことが困難な村の状況を見て、適切な火葬場を自ら建設したとされる。「退職後も村や社会に貢献したかった。村人たちが私の最後の旅だと信じて一緒に歩く姿を見て、胸がいっぱいになった」と語った。
火葬場では、供養儀式「アールティ」が象徴的に行われ、儀式後には燃え尽きた灰が近くの川へ撒かれた。その後、ラール氏は実際の葬儀の習わしに倣い、村で宴を開いて行事を締めくくった。
ラール氏は「人は生きているうちは互いを気にかけないが、亡くなってから涙を流す」と述べ、「生きている人への愛と敬意こそ、死後の涙よりも価値がある」と語った。
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