
中国の女性が米国で出産した2人の子どもを残して死亡した。ところが、彼女が米国で精子を購入し、体外受精によって出産したとの疑惑が浮上している。
香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)によると、中国上海市徐匯(シュウカイ)区人民法院は、2日に死亡した女性A氏の父ワン氏(81歳)を、2人の孫娘の法定後見人に指定された。
A氏は昨年7月に悪性腫瘍と診断され、死亡した。2015年と2017年に米国で2人の娘を出産し、その後、母親と2人の娘は上海で祖父と生活していた。
A氏の死後、2人の子にとって唯一の家族は祖父のワン氏だけとなった。ワン氏は「娘が亡くなった今、子どもたちに残された家族は私だけだ」と述べ、裁判所に後見人の指定を申請した。
裁判所は後見人審理の過程で、実父の有無を確認するため、多角的な調査を行った。中国当局は2人の姉妹の出生証明書に記載された父親情報の確認を試みたが、特定には至らなかった。
調査の過程で、姉妹が通う学校に提出された書類から、米国発行の結婚証明書と出生証明書の写しが見つかった。書類に記載された男性に連絡を取ったところ、男性は「子どもたちの実父ではなく、母親に一時的にパスポートを貸してほしいと頼まれただけだ」と釈明した。
2人の姉妹も実父についての情報を持っていなかった。A氏は生前、2人の娘の父親に関して一切言及していなかったとされる。A氏の知人は「生前、体外受精で子どもを持ちたいと語っていた」と証言した。
この証言を受け、現地メディアは、母親が米国で精子を購入し、体外受精によって出産した可能性を報じた。
ワン氏は「姉妹は私と娘と共に育ててきた。現在は唯一の保護者として学業を見守っている」と語った。
高齢だが健康状態は良好で、経済的にも問題はないとされる。
裁判所は「未成年者の最善の利益を保障することが最優先だ」として、ワン氏の後見権を認めた。
また、中国国内でも代理出産や海外での出産例が増加している。中国の病院は婚姻関係にある夫婦に限って人工授精などの補助生殖医療を認めているためだ。
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