
カナダ・オンタリオ州ナイアガラの滝近くにある海洋公園「マリンランド(Marineland)」で、30頭のベルーガが安楽死の危機に直面している。
12日(現地時間)、英BBCは、マリンランドが財政難と運営上の問題からベルーガの飼育を続けられず、連邦政府に中国への販売許可を申請したが拒否され、安楽死を検討せざるを得なくなったと報じた。
1961年に設立されたマリンランドは、かつてカナダの人気観光地だった。しかし、近年では動物虐待の疑惑と管理上の問題が浮上し、財政難に陥っており、2025年春に閉園した。
2019年以降、マリンランドではベルーガ19頭とシャチ1頭、合わせて20頭の海洋哺乳類が死亡している。昨年2024年には子黒熊の虐待事件で有罪判決を受けた。
マリンランド側は「もはやベルーガの世話を続ける財政的余裕がない」として、中国・珠海のテーマパークへの販売を主張した。
しかし、カナダ連邦水産海洋省は、そのテーマパークが海洋哺乳類を「娯楽目的」で扱う可能性が高いと判断し、販売許可を拒否した。これを受け、マリンランド側は安楽死の実施を検討していると主張している。
この状況を受け、専門家や動物保護団体は、マリンランド以外の安全な施設にベルーガを移す方法を模索している。元マリンランド首席トレーナーのフィル・デマースは「可能であれば、米国内の複数の施設で分散して受け入れるのが最善の選択だ」と述べた。
カナダの団体「ホエール・サンクチュアリ・プロジェクト(The Whale Sanctuary Project)」は、ノバスコシアにある保護施設へのベルーガの移送を提案した。ただし、この施設では2026年夏までに一部の海洋哺乳類(8~10頭)しか受け入れられないとされている。
専門家らは「マリンランドの安楽死発言は脅しに近い可能性があるが、時間的猶予はない」として、迅速な対応を求めている。
世界動物保護カナダのコリン・サラバナムトゥ氏は「オンタリオ州が主導的に海洋哺乳類の安全確保に乗り出すべきだ」と強調した。
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