
台湾で、地下鉄の優先席を巡り、また乗客同士のトラブルが発生した。
台湾自由時報などによると、18日、フェイスブックに台湾鉄路管理局(台鉄)のある列車内での口論の映像が投稿された。台鉄は高速鉄道を除く国有鉄道を管理・運営する公営企業で、映像の列車は座席指定がない自由席列車だった。
映像では、眼鏡と帽子を身につけ、複数のバッグを持った年配女性A氏が、優先席に座っていた別の女性乗客B氏と口論している様子が確認できる。
A氏は「この高齢の男性に席を譲ってあげて」と要求したが、B氏は妊娠中で膝を負傷しているため座らなければならないと言い、席を譲ることを断った。
するとA氏は矛先をB氏ではなく、隣に座っていた子どもに向け、席を譲るよう要求した。
B氏は「周りに若い人がたくさんいるのに、なぜそちらの方には言わないのですか」と反論した。A氏は「そこは全て満席だ」と答え、B氏は「ここには空席があるのですか」と詰め寄った。
B氏が頑なに拒否すると、A氏は「良心はないのか」と皮肉を言い、さらに「もう子どもを産むな。産んでもまともに育てられないでしょう」と暴言を浴びせた。
現地ネットユーザーは「他人に良心がないだの、子どもを産むなだの、良心がないのは自分だろう」といった批判の声や「優先席は高齢者・妊婦・子ども・障がい者が共用するためのものなのに、なぜ高齢者が妊婦に譲ることを強要するのか」といった指摘が相次いでいる。

台湾では最近、公共交通機関の優先席を巡る乗客トラブルが相次いでいる。
9月には、ある高齢女性が優先席に座る女性をバッグで叩き、席を譲るよう強要したところ、蹴られる映像が公開され、論争となった。当初は双方に非があるとの見方もあったが、高齢女性が常習的に席譲りを強要していたほか、窃盗容疑で指名手配中の人物であることが判明し、非難の声がさらに強まった。
先週には、台湾北部・基隆市(キールン市)のバスで、体の不自由な76歳男性が優先席に座る57歳女性に席を譲るよう依頼したところ口論となり、感情が高ぶった末に取っ組み合いに発展した。後に女性も窃盗容疑で指名手配中の人物であったことが明らかになった。
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