高度11キロ上空で謎の物体と衝突 「1兆分の1の確率」宇宙ごみか

ユナイテッド航空の操縦士が、高度約3万6,000フィート(約11キロ)上空で操縦席前面のガラスを強打した正体不明の物体により負傷した。
米メディア「ユニラッド」によると、16日(現地時間)、デンバー発ロサンゼルス行きのユナイテッド航空ボーイング737 MAX8型機が、飛行中に何らかの物体と衝突したという。
事故が発生したのは、ユタ州モアブ上空を巡航中のことだった。衝撃で多層構造の前面ガラスの一部が割れ、操縦士は腕に擦り傷や打撲を負い、出血も確認された。

SNSに投稿された写真には、砕けたガラス片が操縦席のダッシュボード一面に散乱している様子が写っている。
ユナイテッド航空は声明を発表し、「ユナイテッド1093便は前面ガラスの損傷に対応するため、ソルトレイクシティに安全に着陸した。その後、別の航空機で乗客をロサンゼルスへ輸送し、整備チームが当該機の運航再開に向けて作業を進めている」と説明した。
当時の乗客の一人は、「窓の外を見ながら『いつ墜落してもおかしくない』と思った。機内は息を潜めたような緊張感に包まれていた」と恐怖の瞬間を振り返った。
航空専門家らは、「前面ガラスの亀裂は電気系統の不具合で説明できる場合もあるが、焦げ跡や破損状況からみて、機体が何らかの物体と衝突した可能性が高い」と指摘。その正体について、宇宙ごみ(スペースデブリ)である可能性もあると分析している。
米紙ニューヨーク・ポストは、「鳥や雹(ひょう)との衝突の可能性も考えられるが、それらは主に低高度で発生する。この機体のような高高度での衝突は極めてまれだ」と伝えた。
米連邦航空局(FAA)は、宇宙ごみが商業航空機の乗客に深刻なけがを負わせる確率を「1兆分の1」と試算しており、当局は現在、レーダー記録や気象データ、フライトレコーダーの解析を進め、原因究明を進めている。
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