
人生には出会いがあれば、必ず別れもある。
どんなに抗おうとしても、それは避けられない宿命のようなものだ。
その残酷な現実を、たった一匹の犬が今も受け止めきれずにいる。
最愛の飼い主を失ってからも、犬は変わらぬ愛情を胸に、毎日のように飼い主のもとを訪れているという。

中国のSNS「ウェイボー」で公開された一枚の写真。
そこには、骨が浮き出るほどに痩せ細った犬の姿が写っていた。
その犬は、納骨堂のガラスの前に身をかがめ、動かぬ一点をじっと見つめている。
その視線の先には天国へと旅立った飼い主の遺影。
まるで「飼い主さん、あちらでも元気でいますか? 会いたいです」と語りかけるように、犬は静かにそこに立っていた。

この犬は、雨の日も雪の日も欠かさず納骨堂を訪れるという。
骨と皮ばかりになった体を引きずりながら、それでも毎日、飼い主の眠る場所へと足を運ぶ。
どうしてそこまで痩せてしまったのか――。
詳しいことは分かっていないが、飼い主の死後、長く放置されていたのではないかという見方もある。
けれど、犬にとって大切なのは空腹でも寒さでもなく、ただ「もう一度、あの人に会いたい」という想いだけなのだろう。
写真を見た人々は、言葉を失った。「涙が止まらない」、「こんなにも飼い主を想い続けるなんて、胸が締めつけられる」、「どうか優しい人に出会って、もう一度幸せに暮らしてほしい」SNSには、そんな祈りにも似た言葉が次々と寄せられた。
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