
フランス・ルーヴル美術館で大胆な盗難事件が発生したことを受け、文化遺産大国イタリアが、人工知能(AI)を活用した文化財保護強化に乗り出した。
「AFP通信」によると、イタリア文化省はAIとビッグデータを組み合わせた新たなサイバーセキュリティー技術を導入し、文化財の安全確保システムを構築する計画を明らかにした。この事業には、欧州連合(EU)から約7,000万ユーロ(約124億円)の支援が投入されるという。
文化省は声明で、「AIによる映像分析で異常や不審な行動をリアルタイムで検知し、即時に警報を発する体制を整える」と説明した。さらに「専用アルゴリズムを学習させ、人の動きや危険信号をより正確に識別できるようにする」と付け加えた。
文化省は「文化遺産の安全が何よりも重要だ」と述べ、システム導入の必要性を強調したが、ルーヴル美術館で発生した盗難事件には言及しなかった。
前日付の「AFP通信」や「BBC」などによると、ルーヴル美術館では開館から約30分後の午前9時30分ごろ、4人組の窃盗団が侵入したという。そしてわずか7分間で、フランス王室の宝石が展示されていたアポロン・ギャラリーの展示ケースを破壊し、宝石類を奪って逃走したという。
報道によると、犯行グループは高強度の防犯ガラスを破壊して宝石を盗み出した後、スクーターで逃走し、現時点で逮捕には至っていない。事件を受け、美術館は当日中の閉館を決定し、館内にいた来館者を緊急退館させた。状況を知らずに訪れた観光客が次々と押し寄せ、一時的に騒然となったという。













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